鶏飯(けいはん)て、どんな料理?

鶏飯は、鹿児島県・奄美地域で伝承されてきた郷土料理のひとつです。

「鶏飯」は、ほぐした鶏肉、干ししいたけ、錦糸卵、パパイヤの味噌漬け、みかんの皮などを、白いごはんの上にのせ、鶏ガラのスープをかけて食べる、奄美地域を代表する郷土料理である。かつて、奄美群島が薩摩藩の支配下に置かれていた時代、鹿児島本土からやってくる役人たちの威圧的な態度を少しでも和らげるためにつくられたのがはじまりだといわれる。当時、非常に貴重なものであった鶏を余すことなく使ってつくった「鶏飯」で役人たちをもてなしたという。また、このころはまだスープをかける風習はなく、鶏の炊き込みごはん風にして食べていた。昭和に入ってから鶏ガラのスープをかけて食べるアレンジが浸透し、いまではそれが一般的となっている。
家庭でもつくられるほか、奄美地域を中心に鹿児島本土では専門店も多数あり、それぞれの店舗で具材やスープのつくり方に個性を出している。
鹿児島県内では、給食のメニューとしても大変人気がある。

残暑で疲れた体に、栄養価も高く、さらさらっと食べることができる鶏飯。魅力的な郷土料理ですね

おうちで作ることは出来る?

鶏飯のメイン材料は鶏肉です。その他、卵、シイタケなどが主な材料です。奄美ではパパイヤの味噌漬けを使うようですが、パパイヤが入手ができなくても、アレンジ次第で、鶏飯の魅力を堪能できるレシピをご紹介します。

インスタで見つけた鶏飯(けいはん)

鶏飯(渡辺 あきこ先生)調理時間 /30分 *干ししいたけを戻す時間は除く。

鹿児島県の郷土料理。細かくほぐした蒸し鶏や錦糸卵、甘辛...

鹿児島県の郷土料理。細かくほぐした蒸し鶏や錦糸卵、甘辛く煮たしいたけなどを彩りよく盛り、鶏のスープをかけていただく奄美(あまみ)地方のもてなし料理。お茶漬けのようにサラサラといただきます。

材料(2人分)
・鶏むね肉 (皮なし)120g・干ししいたけ2枚
【A】・砂糖小さじ1・みりん小さじ1・しょうゆ小さじ1・顆粒(かりゅう)チキンスープの素(もと) (中国風)大さじ1・卵1コ・細ねぎ (小口切り)2本分・奈良漬 (薄切り)20g・ご飯 (温かいもの)適量
【かけ汁】・鶏肉のゆで汁カップ3・しょうゆ小さじ1・塩小さじ1/4・塩・サラダ油少々
つくり方
1干ししいたけは水につけて柔らかく戻し、軸を切る。鍋に水カップ1とともに入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にして10分間煮て【A】を加える。汁がほとんどなくなるまで煮詰め、粗熱を取って薄切りにする。
2鶏肉は厚みを半分に切る。鍋に水カップ4、チキンスープの素とともに入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にし、ふたをずらしてのせ、15分間煮る。取り出してすりこ木で軽くたたいてつぶし、粗熱が取れたらほぐし、塩少々をまぶす。ゆで汁はとっておく。
3錦糸卵をつくる。卵は溶きほぐし、塩1つまみを加える。サラダ油少々をなじませたフライパンに薄く流して両面を焼き、取り出す。卵液がなくなるまで繰り返し、粗熱が取れたら重ねて、4cm長さのせん切りにする。
4【かけ汁】をつくる。2のゆで汁を温め(足りなければ水を加えてカップ3にする)、しょうゆ、塩を加えて味を調える。
51、2、3と細ねぎ、奈良漬を器に盛る。茶碗(わん)によそったご飯に具をのせ、4の汁をかけて食べる。
【MEMO】
ここでは奈良漬を使っていますが、パパイアの漬物や紅しょうが、たくあんなどを入れることも。

かんたん鶏飯(堀江 ひろ子先生)調理時間 /40分

鶏むね肉で手軽につくる鶏飯です。おいしさの決め手はうま...

鶏むね肉で手軽につくる鶏飯です。おいしさの決め手はうまみたっぷりのかけ汁。お茶漬け感覚でサラサラと。

材料(4人分)
・ご飯 (温かいもの)丼4杯分・鶏むね肉1枚・しょうが (薄切り)1かけ
・ねぎ (青い部分)1本分
【A】・塩小さじ1/2・固形チキンスープの素2コ・酒大さじ2・生しいたけ7~8枚(約100g)・にんじん (小)1本(100g)・みつば1/2ワ・たくあん50g
・うす口しょうゆ適量・塩適
つくり方
1鶏むね肉は早く火が通るよう、厚みを半分に切る。
2鍋に水カップ3、しょうが、ねぎを入れ、【A】を加えて強火にかける。煮立ったら中火にして1の鶏肉を入れ、約5分間ゆでる。火を止め、鶏肉をゆで汁につけたまま冷ます。
3冷ました鶏肉を取り出し、手でたたいてから細かく裂く。ゆで汁大さじ2をかけておく。残りのゆで汁はとっておく。手でたたいておくと、身がほぐれやすくなる。
4生しいたけは石づきを取って薄切りにし、軸はせん切りにする。せん切りにしたにんじんとともに耐熱皿に入れ、3のゆで汁大さじ3をかけてラップをし、電子レンジ(600W)に3分間かける。みつばは小口切りにする。たくあんはせん切りにする。
5器にご飯を盛り、3、4を彩りよくのせる。3のゆで汁に湯を加えてカップ5にし、うす口しょうゆ・塩各適量を加え、吸い物よりやや濃いめの味に調える。この熱い汁をかけながら食べる。好みでわさびや柚子こしょうを添える。

かしわ飯(コウ ケンテツ先生)調理時間 /15分 *干ししいたけを戻す時間、米を浸水させる時間、鶏肉に下味をつける時間、炊く時間は除く。

こちらは、かしわ飯のレシピです。ごぼうの香りが食欲をそそります。
骨付きの鶏肉と根菜のうまみがたっぷりの炊き込みご飯。し...

骨付きの鶏肉と根菜のうまみがたっぷりの炊き込みご飯。しっとりとした口当たりで、どことなく懐かしくホッとするメニューです。

材料(4人分)
・米360ml(2合)・鶏もも肉 (骨付き)1本(350g)
*入手できない場合は鶏ブツ切り肉(骨付き)、鶏手羽元で代用するとよい。
【下味】・しょうゆ大さじ1・酒大さじ1・砂糖小さじ1・干ししいたけ2~3枚
・ごぼう1/5本(30g)・にんじん1/5本(20g)・しょうが (せん切り)1かけ分
【A】・しょうゆ大さじ2・みりん大さじ2・酒大さじ2・ごま油大さじ1・昆布 (7~8cm四方)1枚
つくり方
1干ししいたけはヒタヒタの水につけて冷蔵庫に入れ、半日ほどおいて戻す。
2米は洗ってざるに上げ、炊飯器の内釜に入れる。水を2合の目盛りより若干少なめに加え、【A】を加える。30〜40分間おいて浸水させる。
3鶏肉は骨に沿って開くように切り込みを入れ、関節の部分で半分に切る。ボウルに【下味】の材料を合わせて鶏肉を加え、よくからめて15分間ほどおき、なじませる。
4ごぼうは皮をこそげ取り、ささがきにする。にんじんも同様に切る。1のしいたけは汁けをきって軸を除き、薄切りにする。
52に、4、しょうがの半量、汁けを軽くきった鶏肉、昆布の順にのせ、混ぜずに炊く。
! ポイント
混ぜると炊きむらができてしまう。
6炊き上がったら鶏肉と昆布を取り出す。鶏肉は身を骨から外して食べやすく裂き、炊飯器に戻し入れてよく混ぜ合わせる。
7器に盛り、残りのしょうがをのせる(子どもの分は、しょうがを省いても)。

たんぱく質豊富な鶏飯(けいはん)。基本レシピをマスターしたら、次は野菜の種類や味付けに私流アレンジを加えて、鶏飯をぜひおうちゴハンのメニューに加えてみてください。

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