メイクの魔術師・江川悦子(Etsuko Egawa)が生まれるまで

光り輝く美しい笑顔

特殊メイクとの出会い HISTORY | 株式会社 メイクアップディメンションズ (54866)

短大卒業後、文化服装学院で「服飾」を学ばれた江川悦子さんは、1976年~ファッション系雑誌「装苑」の編集の仕事に携わります。

via mud.jp
その職場は、当時としては珍しく、編集長をはじめ社員のほとんどが女性だったとのこと。
「働く姿勢を学んだ場所だった」と仰る江川さん。

まさに、時代に先駆けた職場環境で、中学の頃からの目標「手に職」と「女性の自立」を目の当たりにし、実践されていたのではないでしょうか?

当時の生き生きとした美しい笑顔に公私の充実度が伺えます。

http://www.creators-station.jp/seehim/37784 参照
https://mud.jp/history/episode1.html 参照
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/190308/1.html 参照

ご主人の転勤が契機に

そんな江川さんに人生の大きな転機が訪れます。結婚3年目、思いもしなかったご主人のアメリカへの転勤です。この事が、江川さんの人生の指針を大きく変えるきっかけとなりました。
耳を疑いました。というのも、当時夫が勤めていた会社は、海外支社があるわけでもなく、海外転勤があるとは全く思っていなかったからです。

好きで初めた仕事だけに、心残りはあります。しかし、未知の国であるアメリカでの生活に言いようのない魅力を感じてもいました。

また、漠然とですが「アメリカで新しいことを始め、仕事にしたい」という気持ちもありました。
海外旅行すらしたことのなかった私が、なぜそんな気持ちになれたのか。良く言えば「前向き」、悪く言えば「ノーテンキ」なのでしょうね。
この性格は、現在に至るまで、さまざまな行動の原動力になっています。
将来は雑誌の編集長?パリ支局に勤務?との思いもあった江川さんにとって、仕事を辞めるという選択がひとつの大きな岐路だったことは容易に想像ができます。

『狼男アメリカン』鑑賞の衝撃

狼男アメリカン フォトギャラリー - シネマトゥデイ (54879)

アメリカでは、狼男への変貌シーンが表現された映画として、既に「ハウリング」が公開されていましたが、「狼男アメリカン」では、その変貌シーンが昼間そして全身だったことが大きな話題となりました。
「英語の勉強にもなる」と、映画を見るのが習慣になっていたんです。そのとき上映されていた映画が『狼男アメリカン』(原題: An American Werewolf in London)でした。

そこで見た「人間が徐々にオオカミに変身していく」シーン……。
最初は普通に娯楽映画として楽しもうと見ていたのですが、その特殊メイクの素晴らしさに私は大きな衝撃を受けました。こうして話している今でも、鮮明に覚えています。「私のやりたいことはこれかもしれない―—」
狼男アメリカン 画像(2/5) - シネマトゥデイ (54880)

『狼男アメリカン』を鑑賞したことがきっかけで「特殊メイク」への興味・関心が生まれ、「特殊メイク」の基礎を学ぶために、学校探しを開始をされたというエピソードを伺うと、その好奇心と行動力には、ただただ「カッコイイ!」というため息しか出てきません。

Joe Blasco make-up Centerで学ぶ

米国でプロの道へ HISTORY | 株式会社 メイクアップディメンションズ (54860)

幅広い年齢層の方々が学ばれていたというJoe Blascomake-upCenterですが、言葉でのご苦労もあったとか。

講義にはテキストがなく、授業音声の録音も禁止されていたそうです。
専門用語も飛び交う中での授業の過酷さは、江川さんのインタビュー記事に書かれていますが、その必死な努力と前向きな姿勢が後に特殊メイクのパイオニアとなった江川さんの礎となったことは間違いなさそうです。


via mud.jp

念願かなって、天にも昇るような気持ちでしたね。

アメリカでは、映画『メタルストーム』、『デューン/砂の惑星』、『ゴーストバスターズ』、『キャプテンEO』などのプロジェクトに参加された江川さん。

6年半のアメリカ生活の中での最後の1年は、この世界に入るきっかけとなった衝撃の作品「狼男アメリカン」のアーティスト・リック・ベイカー氏の工房での仕事。
その時の気持ちを表したメッセージが「念願かなって天にも昇るような気持ち」だったそうです。
https://www.alphapolis.co.jp/business/official/alphapolis_business_editor/349?page=3

日本での活動

6年半のアメリカ生活を終えて

6年半のアメリカ生活を終えて

帰国された当時、特殊メイクアーティストは江川さんの他におひとりだけだったそうです。

ご自身で様々なアクションを起こし、工房を立ち上げ活動の幅を広げていかれた江川さん。

via mud.jp
日本での初仕事は、映画『親鸞・ 白い道』での「生首」の特殊造形の製作でした。

「クオリティを下げてしまえば、すぐにライバルに追いつかれてしまうよ」

江川悦子さんの未来はエンドレス

ご自身で仰る「前向き」(ノーテンキ?いえいえ決してそのようなものではございません)な姿勢で
これまで突き進んでこられた江川さんの作品数は膨大です。

特殊メイク制作会社『メイクアップディメンションズ』立ち上げから30年を超えた今も、その勢いは止まりません。

メイクによってそのキャラクターを全く別次元のものに変えてしまう技術のレベルアップに日々「前向き」「好奇心旺盛」に進んでいかれる江川悦子さん。

その生き方はカッコイイ!
憧れのライフスタイルなのです。


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