柴門ふみ(FUMI SAIMON)さんのプロフィール

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1957年1月19日生まれ。
徳島県徳島市のご出身。
漫画家、エッセイスト。

1979年、大学卒業後「少年マガジン増刊号」にて「クモ男フンばる!」でデビュー。

翌1980年に漫画家・弘兼憲史さんとご結婚。
1981年から連載を開始した学園ロマコメ漫画『P.S. 元気です、俊平』で人気作家となる。
後に既発漫画がトレンディドラマの原作として人気を博し、また、この頃から、恋愛エッセイを数多く執筆。「恋愛の巨匠」「恋愛の教祖」「恋愛の神様」などと称される。ペンネーム「柴門」はポール・サイモンにちなむ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/柴門ふみ参照

柴門ふみ(FUMI SAIMON)さんが生み出した作品群

デビューなさってから40年。今まで数多くの漫画作品、著書を発表されてきた柴門ふみさん。
漫画作品の中からドラマ化されヒットした作品も数多く、また、著書は「恋愛の教科書」とも称され、恋愛迷路に戸惑う多くの女性達に支持されました。

ドラマ化された作品は10作品を超えますが、その中から3作品をピックアップ。オトナ女子の恋愛観の今昔を考察してみました。

あすなろ白書

1992年、第37回小学館漫画賞受賞作品

1992年、第37回小学館漫画賞受賞作品

1993年にフジTVにてドラマ化され、(後2002年には台湾でもテレビドラマ化)平均視聴率27.0%、最終回の視聴率は31.9%となったヒット作。
(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)
漫画作品の中では、メインの登場人物が通う大学は別々でしたが、ドラマでは、4人は同じ大学に通う学生という設定でした。ストーリーの中で、若干の相違はあるものの、概ね原作に沿った内容となっています。
キャンパスを舞台に繰り広げられる5人の友情と恋愛が、藤井フミヤさんの「TRUE LOVE」のメロディと共に描かれる「あすなろ白書」。まずは、それぞれが主役級のキャストの豪華さに目を見張ります。

あすなろ抱き

ドラマ内で、木村拓哉さんが石田ひかりさんを後ろから抱きしめるというシーンは「あすなろ抱き」と言う表現が流行るほど話題になりました。
26年前の作品ではありますが、当時はまだ若干のタブー感があった「男子が男子を好きになる」というセンセーショナルなテーマや、亡き「松岡」の子を宿していた「青香」が未婚の母として生きてゆくというテーマなどがさらりと組み込まれているあたりは、さすがの柴門ふみさん。時代を超えた作家力(サッカリョク)を感じますね。

好きな人と好きになってくれる人が違う

「掛井」が好きな「なるみ」を好きなのは「取手」そして「星香」が好きな「松岡」は同性愛者。

「好き」になった瞬間に相手も自分を「好き」と思って始まる相思相愛の恋愛が恋愛のすべてではないはず。世の中の恋愛が相思相愛ばかりなら、悩むことも傷つくこともありません。人を悩ませたり傷つけることもないはず。訪れる様々なチャンスと時間やタイミングが合って恋が成就する人もいれば、いつまでたっても思いが叶わない人も。
好きな人と好きになってくれる人が違う。これはいつの時代も変わらない恋のルーレット的法則のような気がします。

ハッピーエンドと思った恋愛が最後までハッピーかどうかなんてわからない

初めて結ばれた翌朝に「この朝を冷凍パックに永久保存したいな」という「なるみ」のセリフがあります。構内を歩く時も手をつなぐ「掛井」と「なるみ」 相思相愛となった二人がこのままゴールに到達するかと思いきや、外的要因や思い込みに似た感情で気持ちが揺らいでいく「掛井」
そして「なるみ」への思いがずっと続いている「取手」。「お前が好きな人と付き合って初めて幸せになれる」という「取手」の別れの言葉に視聴者は彼の強く大きな愛情を感じますが、結局「取手」と「なるみ」は別れてしまいます。
ドラマは「掛井」と「なるみ」が未来を描くという形で終わりますが・・果たしてこれが「なるみ」にとって最高のハッピーエンドなのか?「掛井」はまた同じことを繰り返すかもしれない。彼女はまた傷ついてしまうのではないだろうか?「AよりBの方があなたを幸せにしてくれるような気がするよ」と言われても、やっぱり自分の気持ちに正直に生きたいという理由でAを選択するオトナ女子と、自分の気持ちより自分を思ってくれる気持ちが強いBを選択するオトナ女子。様々な選択肢の中から何を一番に考えるのか?
このテーマは今も昔も変わらないオトナ女子の永遠の迷路なのかもしれませんね。

東京ラブストーリー

リカのキャラクターが印象的

リカのキャラクターが印象的

平均視聴率は22.9%、最終回視聴率は32.3%と、こちらも大ヒットした柴門作品です。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)ドラマ主題歌は、小田和正さんの「ラブ・ストーリーは突然に」。この曲のシングルCD売上は270万枚の大ヒットとなりました。都内各地やカンチのふるさと・愛媛でのロケ地も注目を集めました。
鈴木保奈美さん演じる「リカ」と織田裕二さん演じる「カンチ」そしてこの二人の主軸に絡むのが有森也実さん演じる「さとみ」と江口洋介さん演じる「三上」
帰国子女でストレートに自分の気持ちを表現する「リカ」と同性からは反感を買いそうな、でも「ああ、こういう女子(ジョシ)いるよね」と思わせる「さとみ」との対比。優柔不断に見える「カンチ」の言動。そして、自己中にしか見えない印象も強い「三上」。それぞれの思いがこれでもかというくらいににもつれて絡み合う。恋愛とはいつの時代も道しるべのない道を歩いているようなものなのでしょうか?

2018年に再放送

一世を風靡したと言っても過言ではない「東京ラブストーリー」。恋愛・男・女についての多くのquestionを提起してくれたドラマのような気がします。
初めてのオンエアからは27年ぶり、最後の再放送からは実に14年ぶり・2018年に再々?放送されましたが街の情景やツールの時代感を除けば、このドラマで表現される恋愛事情は、現代のオトナ女子の恋愛事情とはなんら変わりないものに思えます。職場恋愛というシチェーションは今も変わらず存在しますし、交わされる会話の応酬もふんだんに織り込まれている恋愛ドラマになっていると思います。
『東京ラブストーリー』が女子高生たちに人気 リカの名セリフをマネる現象も
「今回の再放送により、これまでドラマのタイトルくらいは聞いたことがあっても、作品自体は見たことがなかった若い世代、とくに漫画やドラマ、映画など恋愛作品に関心の強い女子高生たちの間でも『東京ラブストーリー』がインターネット上などを中心にかなり話題になっています。保奈美演じるリカの有名なセリフ『セックスしよっ!』をマネる現象も起こっています。生まれた時からスマホやネットが存在する今どきの若い女性たちにとって、自宅用の固定電話や公衆電話しかなく、手書きしたメモ書きが意中の相手の目に届かなかったり、雨の中で連絡も取れずに待ちぼうけをするといった、今の時代では考えられない"すれ違い"要素満載のストーリーは隔世の感があり、かえって新鮮に映るのかもしれませんね」(テレビ誌編集者)
なるほど、時間は経っても、魅力ある作品は世代を超えて共感を得られるものなのですね。

男子(ダンシ)は女子(ジョシ)の本質を見抜けない?

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感情をぶつける「リカ」に翻弄される「カンチ」
「さとみ」が「こざかしい女」を感じさせる場面は少なくないのに、「カンチ」は行ったり来たり感が否めない彼女の言動に右往左往。いつの時代も男子(ダンシ)は、このタイプの女子(ジョシ)に弱いの?本質を見抜くことは得意じゃないのかな?

Age,35

『Age,35 恋しくて』

『ビッグコミック』(小学館)に1994年から1995年にかけて連載された作品。 1996年にフジテレビでタイトル『Age,35 恋しくて』としてドラマ化されました。食品会社で営業課長を務める英志(中井貴一さん)と妻・朱美(田中美佐子さん)は同い年の35歳。7歳の双子の子供たちと温かい家庭を築いているように見えますが、実は彼にはミサ(瀬戸朝香さん)という愛人がいます。ある日、愛人・ミサに妊娠を告白され動揺する夫と、12年ぶりに大学の同級生だったシン(椎名桔平さん)と再会する妻。「不倫」がテーマでありながら「不倫」というくくりをしてはいけない、ありきたりのそれとはまったく趣が異なるドラマです。家族を守り通そうとしながらも、再会した昔の同級生に気持ちを委ねていく妻。登場人物の繊細な心理描写に引き込まれます。

人生はギャンブル?何が正解かはわからない

小気味よい最終回

主題歌「いいわけ byつんくさん」 のスピーディなメロディと相まって、いい意味で予想が裏切られた小気味よい最終回でした。築いた城にほころびが見え始めた時、そのほころびはなんとしてでも修復するべきなのか?落としどころを見つけて耐え、継続させるべきなのか?崩れた信頼関係を取り戻すことは出来るのか?いや、時間にこだわることなく切るべきものは切り、新しい一歩を踏み出すことが正解なのか?今も昔もオトナ女子にとっての正解はミステリーなのかもしれませんね。

あすなろ白書は26年前・東京ラブストーリーは28年前。そしてAge,35恋しくては23年前のドラマです。

時間は経ってもオトナ女子の恋愛を取り巻く環境・人と人との摩擦・悩みには「今」も「昔」も変わりはない!という考察結果が出ました。

柴門ふみさんの最新作「恋する母たち」

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名門中学に息子を通わせている三人の母たちの物語。いずれの子供たちも出来が悪くて落第目前。夫は外に女をつくって家を出て行ってしまったり、社内不倫に夢中だったり、波風立たないが刺激に乏しかったり…。互いの心中を少しずつさらけ出し合いながら、三様の人生はやがて交錯し始める。母であり、妻であり、現役の“女”である彼女たちは、それぞれの岐路に立ったとき、どんな行動をとるのか? 心に芽生えた思いは叶えられるのか? 子供は、夫は、出会った新たな男たちはどんな反応を見せるのか? 恋する母たちの行方はいかに?
https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/461952/A001891787 参照

時を超えてもオトナ女子の悩みに変わりはないようです。これからも、ますますの柴門ワールドの展開が楽しみですね。

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