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長崎は、江戸時代の鎖国の時にも、日本で唯一海外と接触を持ち交易を行っていた所です。そのため、キリスト教の教会や唐人町、中国系のお寺などがあり、西洋や中国文化の影響を色濃く受けてきました。そうした多文化の町長崎の冬を彩るのが「ランタンフェスティバル」です。

©長崎県観光連盟

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2019.1.16

長崎ランタンフェスティバルとは

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「長崎ランタンフェスティバル」は、当初中国旧正月の「春節祭」として行っていましたが、1994年から規模を拡大し旧正月から元宵節(がんしょうせつ)までの15日間をランタンフェスティバルとして行うようになりました。元宵節は、日本では小正月に当たります。この時期になると天の精霊が空を飛ぶのが見えると言われており、その精霊をもっとよく見るためにランタンを飾る風習が始まりました。長崎のランタンフェスティバルは今では100万人の人が訪れる大イベントになっています。

長崎ランタンフェスティバルの期間と会場

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2019年の長崎のランタンフェスティバルは2月5日から2月19日まで15日間行われることになっています。フェスティバルの会場は長崎市内7カ所に設置されています。その中でも中心となる会場が「中央公園会場」「新地中華街会場」「孔子廟会場」の3つ。中央公園会場と新地中華街会場では主に伝統的な催し物が開かれ、「孔子廟会場」ではモダンなテーマに基づいたショーなどが開かれます。

長崎ランタンフェスティバルの見所

ランタンフェスティバルは15日間に渡って開催されるため、イベントの種類も数多く企画されています。フェスティバルの見所をご紹介します。

ランタンの点灯式

©長崎県観光連盟

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点灯式は2月5日に新地中華街会場と中央公園会場で行われるオープニングセレモニーです。17:30から入場が始まり、18:00に市内の中心部に飾られた約15,000個のランタンが一斉に点灯します。

中国獅子舞

©長崎県観光連盟

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中国獅子舞は、新地中華街会場と中央公園会場で行われます。開催日は複数ありますからプログラムで確認してください。地味な色の獅子を身につけた日本の獅子舞とは違い、鮮やかな色の獅子を身に付けリズムに乗ったアクロバティックなパーフォーマンスを披露してくれます。

皇帝パレード

©長崎県観光連盟

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皇帝パレードは清朝時代の皇帝と皇后に扮した人物がみこしに乗って繰り出すパレードです。みこしの前後には何十人もの人が清朝時代の衣装に身を包みパレードを行います。このイベントは中央公園から始まり、浜市アーケードやベルナード通りを進みながら湊公園まで続きます。開催日は2月9日と16日の土曜日、14:00 ~ 16:30です。

媽祖行列 (まそぎょうれつ)

©長崎県観光連盟

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媽祖行列は長崎ランタンフェスティバルのもう一つのパレードです。こちらは昔唐船の船員たちが行っていた航海安全を願う神事を再現したものです。媽祖(まそ)とは航海安全の神のことです。この行列の開催は2月10日・17日(日)、13:00~16:00。10日は孔子廟から出発し興福寺で終わりますが17日はその反対に興福寺から出発して孔子廟で終わります。

ロウソク祈願四堂巡り

©長崎県観光連盟

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ロウソク祈願四堂巡りは、唐人屋敷エリアにある土神堂、天后堂、観音堂、福建会館の4つの建物を巡り、そこでロウソクに火を灯して願い事をするとそれが叶うと言うものです。2月5日から18日まで11:00~21:00の時間帯に土神堂前で受け付けています。参加費500円。

手作りランタン

©長崎県観光連盟

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手作りランタンは無料で参加できるクラフトアクティビティー。自分だけのランタンが作れます。開催場所はベルナード観光通り。2月10日(日)は10:00~14:30、17日(日)は10:00~13:30で開かれます。

銅座川のピンクランタン

©長崎県観光連盟

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どこもかしこも赤いランタンがぶら下がる長崎ランタンフェスティバルの中でちょっと変わったのが銅座川に飾られたピンクランタン。他の会場とは少し違った幻想的な雰囲気が漂います。

長崎の中華系グルメ

長崎ランタンフェスティバルでは中国街でのイベントが多いので自然中華グルメに目が行きますね。通りにはB級の屋台も並びますが、ここでは一般的な長崎の中国系料理をご紹介します。

皿うどん

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皿うどんは長崎の焼きうどん。野菜と海鮮それに豚肉や練り物を使って炒めた焼うどんは熱々で冬の長崎にぴったりです。

長崎チャンポン

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長崎と言えば長崎チャンポン。チャンポンとは「さまざまな物を混ぜること」。長崎チャンポンは中国の福建省の料理を基にしたものですが、長崎に留学していた中国人留学生に安くて栄養価の高いものを提供するために考案されたと言われています。豚骨と鶏がらスープが濃厚でおいしい!

角煮まんじゅう

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角煮まんじゅうは通称「角煮まん」とも呼ばれています。豚の角煮をまんじゅうに挟んで食べるものです。角煮は元々は長崎の郷土料理の一つとして長く存在していましたが、それをまんじゅうといっしょに食べるようにアレンジしたものです。

かに玉

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かに玉は解きほぐした卵の中に蟹の身と野菜を入れ、それをふんわりとした半熟状に仕上げ、最後に甘酢あんを上からかけた料理です。

世界の他の町でも開かれるランタンフェスティバル

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ランタンフェスティバルは長崎だけでなく世界の他の町でも開かれるフェスティバルですが、日本に近い所では台湾がその一つです。台湾の2019年のランタンフェスティバルは長崎のフェスティバルが終了する2月19日に始まり3月3日まで開催されることになっています。 

まとめ

暦の上では春でも、まだまだ寒い2月。その季節に15日間という長期に渡って開かれる長崎ランタンフェスティバルでは、寒さも忘れてしまうほどの盛りだくさんのプログラムが用意されています。日本国内にいながら異国の文化に触れることのできる長崎ランタンフェスティバル。ぜひ時間を作って参加してみてください!

長崎ランタンフェスティバル公式サイト:https://www.at-nagasaki.jp/festival/winter/top/
setsukoT

setsukoT

オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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「長崎の冬を彩る大イベント 長崎ランタンフェスティバルに行こう」のライター