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世界遺産に登録されている兵庫県姫路市の姫路城。優美で壮観な外観もさることながら、城内には守り抜くための工夫が至る所に。ところが幸いにも、築城以来戦火にまみれることがなかった姫路城は「平和のシンボル」と言われてきました。今回はそんな姫路城の魅力に迫ります。

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2020.2.15

世界遺産に登録された姫路城はどんなお城?

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姫路城が最初に建てられたのは1346年。それからなんども改築・増築を重ねて、1609年に現在の形に出来上がり、1993年、世界遺産に登録されました。それまで世界遺産に登録されていたものは、ヨーロッパの建物など、ほとんどが長い間保存できる石の建造物でした。ですから木造建築である日本の城が世界遺産として認められたことは、世界遺産史上画期的なことだったと言われています。ではいったい、姫路城のどんなところが高く評価されたのでしょうか。
ユネスコ世界遺産センターの発表では、姫路城は、「 人類の創造的才能を表現する傑作」であり、「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」であるとされています。

大天守と3つの小天守から成る「連立天守群」

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連立天守群の中心部 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Himeji_Castle_No09_152.jpg

封建時代はもちろんのこと、第2次世界大戦でも破損・焼失することのなかった姫路城には、中心となる大天守とそれを囲む形で作られた3つの小天守が原形のまま残っています。このような城の構造は、「連立天守群」と呼ばれ、5重6階の大天守が渡り櫓を通して3つの小天守とつながっています。また、「白鷺城」の別名でも知られている通り、美しい白壁、千鳥破風、唐破風など芸術的な側面も強く、それにより姫路城は単なる戦いのための道具ではなく、建築美を表現した建物とみなされているのです。

大きな城を支える巨大な石垣

太鼓櫓と石垣。 https://commons.wik...

太鼓櫓と石垣。 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Himeji-castle-taiko-yagura.jpg

姫路城のもう一つの魅力は石垣。姫路城の石垣は3つの時代に渡って築き上げられたため、注意して見るとそれぞれの時代の特徴が良く分かります。城の基礎である石垣は、5重6階という大きな城を支えるために、平均的な城よりもずっと高くなっています。この画像の石垣は高さが18ⅿもある「太鼓櫓」の巨大石垣です。
姫路城ではもちろん城内に入って見学することができます。長連休や週末など混みあうときは入場制限がかかることもあるとのことなので、できればそうした時期を避けて出かけるのがおすすめです。

姫路城公式サイト: https://www.city.himeji.lg.jp/castle/index.html
入場料: 1,000円

世界遺産姫路城十景

姫路城は姫路市の小高い丘の上に建てられ、更に高い石垣に支えられているため、全体として海抜約92mの高さ。町のさまざまな場所から眺めることができます。姫路市ではこうした景観を「世界遺産姫路城十景」と名付けています。それぞれの角度から姫路城の姿を楽しみましょう。

大手前通り

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「大手前通り」は文字通り城の大手門(正門)に繋がる通り。JR姫路駅前から真すぐに伸びたこの通りに立つとデンと構えた姫路城が前方に見えます。

城見台公園

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城見台公園は姫路城の敷地の一番南側にある公園。この公園からは姫路城の南東方向の姿を眺めることができます。公園内には大天守の屋根に飾られている高さ190㎝の2つのシャチの復元像が置かれています。

姫路市立美術館

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姫路市立美術館は姫路城の敷地内、東側の中央に作られた美術館です。ここからは姫路城の東側の姿が見えます。赤褐色のレンガで作られた厳かな雰囲気の漂う美術館の建物。その後ろに優雅な姫路城がよく映え美しいコントラストを造り出しています。この美術館には国内外の美術品約3700点が所蔵。その中にはピサロ、モネ、ドガ、シスレーなど印象派の作品も含まれています。

男山配水池公園

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男山配水池公園は姫路城の敷地の北西にある公園です。ここからは大天守とそれを囲む3つの小天守の全景を眺めることができます。この公園には約200段の階段があるので、登りつめるのが少し大変かもしれません。でもそれだけに、公園の頂上から見える姫路城の姿は格別です。

その他のロケーション

世界遺産姫路城十景のロケーションにはその他、「姫路城三の丸広場」「シロトピア記念公園」「名古山・霊園高台公園」「景福寺公園」「手柄山・緑の相談所広場」「増位山」の6カ所が含まれます。時間の許す限り回ってみてください。

参考サイト:https://castle-himeji.com/himejijo-10views/

同時に楽しみたい姫路城近くの「好古園」

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姫路城十景と並んで楽しみたいのが、姫路城の「西御屋敷」の跡に作られた「好古園(こうこえん)」です。この美しい庭園は姫路市の市制100年を記念して1993年に開園されたもの。園内には9つの庭園群、アプローチ樹林帯、広場などが作られ、一年を通して季節ごとの美しい風情を披露してくれます。
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好古園の特徴は池や水の流れを演出した「池泉回遊式庭園」。水の流れが造り出すなんともいえない美しい風景は心が癒されますね。
好古園には、また、裏千家の茶室「双樹庵」があります。江戸時代の武家屋敷の茶室をイメージした造りになっていて、ゆっくりとした素適な時間が過ごせます。

公式サイト:http://www.himeji-machishin.jp/ryokka/kokoen/
入園料: 310円
茶席料: 500円

姫路のグルメ

姫路市が面する播磨灘(はりまなだ)では「伝助あなご」と呼ばれる普通のあなごより3~4倍も大きなあなごが取れます。姫路駅の周辺には、この伝助あなごを使ったあなご料理店がいくつか並んでいます。ここでご紹介するのは「時代カフェ」のあなご丼。写真のメニューはにゅう麺とセットになったもの。
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姫路に行ったらもう一つ食べたいのが「明石焼き」。明石焼きはタコ焼きの一種ですが出汁に付けて食べるのが特徴。姫路ではさらにこの明石焼きにソースをかけてそれを出汁に付けて食べる「明石焼き風タコ焼き」を提供しているお店もあります。

アクセス

姫路城へ行くには、JR姫路駅の「姫路城口」を出て大手通りを直進、徒歩20分。または、15~30分間隔で運行している観光ループバスを利用すると姫路城まで約5分で行けます。

まとめ

1993年に世界遺産に登録された姫路城は、400年前に作られた当時の原型が今でも残る貴重な建物。高く積み上げられた頑丈な石垣に白壁の優美な天守がそそり立つ姫路城は、姫路市のさまざまなロケーションから異なる側面を眺めることができます。ぜひ出かけて、城内の作りを見学するのはもちろんのこと、世界遺産姫路城十景や好古園など姫路ならではのスポットを楽しんでください。
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オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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「死ぬまでに行きたい世界遺産|平和のシンボル ~ 兵庫県「姫路城」」のライター