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"博多祇園山笠"は、福岡県福岡市の博多区で、毎年7月1日から7月15日にかけて開催される700年以上の伝統のある祭です。国の重要無形民俗文化財に指定されていて、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されているお祭りです。

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"博多祇園山笠"は15日間も開催されるお祭り

博多祇園山笠は700年以上の歴史を持つ日本を代表するお祭りの一つです。この祭りが開催されるのは福岡県福岡市博多区、開催日は毎年7月1日から15日などの特徴を持っています。
15日間のお祭りは日本の中でも数が少なく、この博多祇園山笠は唯一の長期祭りなどの特徴もあるわけです。

1日から15日までのスケジュールはどのようなものになるのかご存知でしょうか。

1日〜15日のスケジュール

初日は舁き山笠の流区域を清める行事で、これを注連下ろしと呼びます。
町の角々に笹竹を立てる、注連縄を張って竹で作った素朴な御幣を添えなどの特徴を持ちます。
櫛田神社神官が祝詞を上げて、期間中の安全祈願をするのですが、恵比須流だけはこれよりも1か月前の6月1日に実施するなどの特徴もあるようです。他にも、山笠に神様を招き入れるためのご神入れや当番長になった町の面々が行う当番町お汐井とりなども1日に開催されます。

7月9日には全流お汐井とり、
7月10日には舁き山笠が登場する流舁き、
7月11日には流舁きの一つでもある朝山笠や他流舁きなどが行われます。
尚、他流舁きは1日に2度舁くのが特徴ですが、1日に2度舁くのは7月11日のみです。
流の外に出るなどから他流舁きと呼ばれていると言います。

7月12日には追い山笠ならし、
7月13日には集団山見せなど博多祇園山笠も佳境に突入することになりますが、追い山笠ならしは午後3時59分、集団山見せは午後3時30分など時間がしっかりと決められているのも特徴的です。
追い山笠ならしは追い山笠のリハーサルになるもので、一番山笠から順番にゴールとなる奈良屋町角の廻り止めまで約4kmのコースを全力で舁くものです。
集団山見せは比較的新しいイベントの一つで、福岡市による要請で昭和37年から始まったと言います。
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7月14日は未熟な舁き手の見せ所、山笠が舁ける最後のチャンスとも言います。

そして最終日の7月15日は追い山笠が午前4時59分から梅田入りし、境内を出てから旧博多部に設置が行われている約5kmのコースを懸命に舁くと同時に、櫛田神社の能舞台は午前6時から荒ぶる神様に捧げるための鎮めの能が行われます。
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博多人形師による芸術

毎日のように見どころが多数あるのも博多祇園山笠の特徴ですが、博多人形での祭でもあるのです。

そもそも博多は博多人形でも有名な場所、そして博多山笠の飾りと言うのは、博多人形師により作り出される芸術品なのです。

山笠の主役は躍動感溢れる武将人形や優美で華やかな天女など、博多人形師の腕の見せ所でもあるわけです。
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山笠飾りは限られた職人による匠の技

但し、本来の博多人形とは作り方が異なると言われており、博多人形師であれば誰もが作ることができるわけではありません。
山笠に飾りが行われている人形は博多人形師によるもの、博多人形の起源および山笠人形の起源は類似しているなどの説もあるようです。こうした説からも博多人形師が山笠の飾りを作るようになったなどの言い伝えがあります。

作り方も異なる、材質そのものもが違うなどからも山笠飾りを作ることができるのは限られた職人による匠の技です。
博多祇園山笠は博多のお祭りなどのイメージを持つ人も、こうした話を知れば見方も変わるのではないでしょうか。
長年山笠人形づくりに携わっている、技術を習得している人形師だけが飾りを作ることができるなどの特徴があることも知っておくとお祭りをより楽しむことができます。

尚、山笠の飾りは基本的に軽量になることを前提にしていると言いますが、これは総重量が1トン以上の重さになる舁き山は、20名ほどの舁き手が動かすなどからも山笠台に掲載する飾りは可能な限り軽い方が良いわけです。
材料は主に紙・竹・布などが使用され、幾重にも張り合わせて人形を作るのです。

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「7月に行きたい名物祭り”博多祇園山笠”」のライター