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仕事や、家族を優先し、自分のことは後回しにする多忙な日々を過ごしていませんか。そんな時に最も必要なことは、自分のためだけの休暇です。積もり積もったストレスから解放されるための休日の取り方を、イタリアのライフコーチがアドバイスします。

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2019.2.11

「義務」に縛られる現代人たち

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職場では、取引先との商談や社内会議など、締切りに追われ、緊張感のある中で業務をこなし、職場の同僚とも良い関係を築く。
家庭では、パートナーと家事を分担し、休日や隙間時間を見つけてこなしていく。
毎日「~をしなくてはいけない」という義務に縛られていると、自身でも気がつかぬうちに、健康に有害な影響を引き起こすレベルにまでストレスは溜まっているかもしれません。「ストレスは万病の元」という言葉にもあるように、こうした「義務感」ばかり日々感じていると、自分が何を求めているかさえ、分からなくなってしまうかもしれません。
ライフコーチとして、特にストレスを抱えるセレブたちにアドバイスを続けているマリーナ・コラッツィは、自分自身のために1日の休暇をご褒美にすることがいかに大事であるかを主張します。
責任や仕事をまっとうすることは、社会人としての義務です。しかし、自身の精神的な健康を維持することも、成熟した大人として人生の基本であるとコラッツィ女史は語ります。
罪悪感を感じることなく、1日をゆったりと自分のためだけに過ごすにはどんなコツがあるのでしょうか。

自分のための空間を、「物理的に」確保する

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コラッツィ女史は、まず生活空間の中に自分だけのスペースを確保することが重要だといいます。
自分がリラックスできる関心事に時間を使うことは、決してエゴではありません。聖書には、「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」とあります。つまり、まずは自分を大事にしなくては、他者を大事にすることはできないというのが古来の教えなのです。
さらに、自分のためにある一定時間を割くことは、生活の中で無駄なことを行う時間がなくなり、結果省いていくことにもつながるのだそうです。

自分の希求を過小評価してはいけない

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誰でも心の中に持っているさまざまな願いや希求。それを口にすることさえもはばかられるようなハイペースな毎日でも、その思いと向き合うことはとても大切です。むしろ、常に願いや欲求を抱いている自分の思いを認識し、意識的に、感情に自由を与えることがストレスの軽減にもつながります。
今、義務として行っていることを見つめるのではなく、楽観的になり、思いの中で自分を遊ばせる。
まるで現実から逃避しているみたいですが、名著『ローマ人の物語』の中にはこんなフレーズがあります。
「すべての面で苛酷な現実の中でも精神のバランスを失わないで生きていくのは、苛酷な現実とは離れた自分一人の世界をつくり出せるかどうかにかかってくる」。
現実の自分とは違う人物像を心の中に作ることは、生活にバランスをもたらすのです。

自分のための休暇は忘れていた感情を取り戻す日にする

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自分のために作った1日、どのように過ごすのが有効なのでしょうか。
「自分のため」なのですから、リラックスして開放的な気分になることがコツです。
おいしいものを食べる、旅行をしたり計画をする、スポーツをする、人それぞれリラックスできる方法は異なります。
コラッツィ女史はさらに、心から笑うことも幸福感という感情を呼び起こしてくれると語っています。
 心が病んでいるなと感じる人は、自然と触れ合うことをおすすめします。セラピーの分野から見ても、自然と触れ合うことは不安を取り除き、創造性を刺激し、問題解決能力を向上させる力があるのだそうです。
 母なる自然に抱かれる時間を持つことによって、失われていた感情が戻ってくるのでしょう。

自分への投資を躊躇しない

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時間や金銭的な投資を自分自身に行うこと、これによって人生の質は大きく向上します。
消費活動を自分のために行うことによって、義務感にあふれた日々のルーティンへの心構えも変わるからです。つまり、家族や仕事に向き合う姿勢も変わるということです。積極的なエネルギーが、お金や時間を自分のために使うことによってあがなわれるからだとコラッツィ女史は説明しています。

生活が向上すれば休暇の罪悪感とも無縁に

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周囲の人が忙しいのに自分だけが休暇を取ることは、われわれ日本人にとっては罪悪感を覚えることかもしれません。
 しかし、自分のための時間や空間を作ることは他者との関係も円滑にする効能が認められています。なぜならば、自分自身の気持ちに余裕ができれば、他者を思いやる感情が自然に湧いてくるからです。自分だけではなく、家庭や仕事のパートナーにもこんな休暇を過ごしてもらえば、相互作用もあるでしょう。
だから決して罪悪感など覚えず、すがすがしい気持ちで、思い思いの休日を満喫してください!

井澤 佐知子

井澤 佐知子

イタリア在住十数年、美術と食をこよなく愛す。眼下にローマを見下ろす山の町で、イタリアのニュースを発信中。

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