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マルタ共和国は、佐渡島の半分の面積しかない地中海に浮かぶ小さな島国です。マルタ島、ゴゾ島、コミノ島の3つの島からなるこの国は、透き通るような美しい海、様々な文化が入り組んだ風光明媚な街並み、街を闊歩する猫など、フォトジェニックなスポットが数多くあり、知る人ぞ知る観光国として人気になっています。

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2019.5.14
地中海沿いの国としては珍しく英語が公用語で治安も良いため、語学留学に訪れる日本人学生も増えています。
また、気候も非常に快適で、冬でも平均気温は14度程度、夏も23度程度で、10月まで海で泳げるというとても過ごしやすい国です。
今回は、マルタ共和国で猫や潮風に囲まれながら暮らしてみたいという方のために、実際に生活すると、どのくらい必要な費用がかかるのかを紹介していきます。
(※ 記事では、1ユーロ=約125円として計算しています)

パン好きにはたまらない国?

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マルタが近年観光や留学で人気が出てきた理由として「物価が安い」というのが一因とされています。パンなどは前評判通り、日本に比べて非常に格安です。近所のスーパーで売られているパンは、1つあたり0.2€(日本円で25円)から購入可能。1キロ単位で買っても1.5€(日本円で156円)程度と、日本のコストコや業務スーパーなどで買うよりも安く手に入れることができてしまいます。
しかし、実際のところは、全てが驚くほど安いというわけではありません。「あくまで周辺のEU国家に比べて」という話で、海外からの輸入品や外食費は、日本より安いものもあれば、高いものもあるというのが現状です。
経済的に暮らすには、「地元産のモノを買う」ということがコツです。その日に届く旬の野菜や果物は「移動トラック」でも販売されており、日本のスーパーで買うよりもびっくりするほど安く買うことができます。パンや野菜をメインに自炊をすれば、たまに外食をしたとしても、1カ月の食費は€200〜300(3万円前後)で済ませることができるでしょう。

マルタでは「水」が大事

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国内の水は、海水から塩気を飛ばして作っています。そのまま飲んでも問題ないですが、塩気は残っているため、ミネラルウォーターを買う人も多くいます。ミネラルウォーターの相場は2ℓで1.5€程(日本円で187円)です。
それゆえ、水にまつわるものは有料のモノが多いです。レストランでは、水は頼まないと出てこないうえに無料のものはありません。また街の公衆トイレも有料のものが多いので、日本とのルールやサービスの違いに戸惑うこともあるでしょう。
以上から、水代は生活費として多めに計算しておきましょう。飲料用・料理の際の水も加えると、1カ月の水代は1人・約20〜30€程(日本円で3,000円前後)は考えておけば問題ありません。

夢のオーシャンビューをお得に堪能

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マルタの物件サイトを見てみると、オーシャンビューのリゾートホテルのような豪華な部屋でも、郊外であれば月500€(日本円で6万3,000円)程度からで募集されています。バレッタ・サンジュリアンなどの東の海岸沿いの都心部になると月1,000€(日本円で12万5,000円)程度まで値上がりしますが、経済的に余裕があれば思い切って一度住んでみるのも手です。
また、国内ではルームシェアで家賃を割り勘して暮らす人が多く、語学力やコミュニケーション能力に自信がある人なら、その方法を選んでも経済的で良いしょう。シェアであれば、月300€(日本円で3万7,500円)程度からでも住むことが可能です。

公共交通機関はバスのみ

小さな島国であるマルタには鉄道がありません。代わりに市民の足になっているのは、島中に張り巡らされた路線バスです。レトロでポップなデザインのバスはマルタの街並みを彩る存在として愛されています。
運賃は最近改訂され、非常にわかりやすくなりました。全ルート均一で夏場は2時間乗り放題で2€(日本円で250円ほど)、夏場以外は1.5€(日本円で190円ほど)と非常にリーズナブルです。市内の道路は狭く曲がり道も多く、ドライブには不向きなため、最初のうちはバスを利用して移動するのが最適と言えるでしょう。
また、21€の7日間乗り放題チケット(日本円で2,630円ほど)、15€の12回利用券(日本円で1,880円ほど)もあり、長期滞在する場合はそれらを利用するとお得です。

昼寝がライフワーク?

Asleep Cat in Malta

Asleep Cat in Malta

マルタ人にはライフワークともいうべき習慣があります。それは「シエスタ」、つまり昼寝です。
「シエスタ」とはスペインやギリシャなどで習慣となっているもので、昼間の暑い中では仕事にならないから、昼ご飯をゆっくり食べるから、といった理由で13時ごろに全く活動しない時間を設けています。
マルタでは、シエスタの時間になると街中の店のシャッターが閉まり、真夜中のように街がひっそりとしてしまいます。
日本ではありえない、ちょっとうらやましいこの習慣は、マルタののんびりでマイペースな雰囲気を如実に表しています。最初は面食らうかもしれませんが、郷に入っては郷に従え、ゆっくり流れるマルタの時間を楽しみましょう。
以上、マルタで暮らす場合の簡単な費用を紹介しました。コミュニケーション能力に自信がある人なら、ルームシェアを利用すれば安い家賃で豪華な部屋に住むことができそうです。バスの運賃もリーズナブルなので、各地の観光もお得に楽しめます。工夫次第では、1カ月の生活費は10万円程度。日本よりもずっとリーズナブルに“優雅なオーシャンビュー”の生活を手に入れられます。
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政光智也

政光智也

特技は歴25年以上のスポーツボウリング。趣味はジャニーズ鑑賞。

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「「いつかは住みたい」マルタ共和国での生活費」のライター