自宅でできる自重トレーニングは、床で行うものばかりではありません。ダイニングチェアのような背もたれがあり安定感のあるイスを利用する方法もあります。そこで今回は、イスを1~2脚使って全身を鍛える筋トレ法について解説していきます。
2020.3.6
ディップスで上半身を鍛える
ディップスは、胸(特に大胸筋下部)や二の腕(上腕三頭筋)などの上半身を効率よく鍛えるのに有効なトレーニング法です。胸のストレッチが強いため、プッシュアップよりも強度の高いトレーニングができます。イスを2脚準備し、次の手順で行いましょう。
①イスの背もたれ側を向かい合わせにして並べる(間隔は肩幅よりやや広め)
②背もたれの上部をしっかり握り体を浮かせる
③ゆっくり体を下ろす
④上腕と床が平行になったらゆっくり戻す
②背もたれの上部をしっかり握り体を浮かせる
③ゆっくり体を下ろす
④上腕と床が平行になったらゆっくり戻す
このトレーニングを15回×3セットを目安に行ってください。なお、ディップスは全体重をイスに乗せます。そのため、実践する際はイスの強度に注意してください。フレームが細く耐荷重の低いイスは、変形したり壊れたりする恐れがあるため使用しないことをおすすめします。また、体重でイスが倒れる可能性のあるデザインや構造の場合は、座面に重りになるものを乗せておくと安心でしょう。
リバースプッシュアップで二の腕集中トレーニング
リバースプッシュアップは、上腕三頭筋や背中にある広背筋に負荷をかけることができるトレーニングです。負荷の割合は上腕三頭筋のほうが大きく、ディップスよりも直に負荷がかかります。そのため、二の腕を集中して鍛えたい場合や胸の筋肉をつけずに二の腕トレーニングをしたい場合におすすめの種目です。イスを1脚用意して、次の順序で行いましょう。
①イスを背にして直立する
②体の後ろで座面に両手のひらを乗せて体重をかける
③両足をイスの1mほど前方に移動させる
④上体をゆっくり下ろす
⑤二の腕と床が平行になったらゆっくり元の位置に戻す
②体の後ろで座面に両手のひらを乗せて体重をかける
③両足をイスの1mほど前方に移動させる
④上体をゆっくり下ろす
⑤二の腕と床が平行になったらゆっくり元の位置に戻す
このトレーニングを15回×3セット行ってください。なお、背中がイスに当たったりストレッチが強かったりする場合は、足の位置を前後させて調整しましょう。また負荷が足りない場合は、イスを2脚用意して1脚の座面に足を乗せるやり方もあります。腕の筋肉をより発達させたい人におすすめです。
キックバックでヒップアップ
キックバックは、お尻にある大殿筋を中心に太ももの裏側にあるハムストリングや腰部の脊柱起立筋を鍛えることができるトレーニングです。地面で行うよりも可動域が広くなるため、負荷やストレッチが強くなります。キックバックは次の手順で行いましょう。
①イスの左右どちらかの位置にイスを前にして直立する
②左ひざと両手のひらを座面に当てイスに体を乗せる(右脚だけが浮いている状態)
③右脚が床と並行になるまでまっすぐ後ろに引き上げる
④ゆっくりと元の位置にもどす
②左ひざと両手のひらを座面に当てイスに体を乗せる(右脚だけが浮いている状態)
③右脚が床と並行になるまでまっすぐ後ろに引き上げる
④ゆっくりと元の位置にもどす
このトレーニングを左右交互に20回×3セット行ってください。なお、キックバックには真横に上げる方法もあります。やり方は、足を後方へ引き上げるのではなく真横に上げます。そうすることで、お尻にある中殿筋を集中的に鍛えることができるでしょう。より高いヒップアップ効果を得たい人は、真横に上げるトレーニングもあわせて行うことをおすすめします。
レッグレイズで下半身を鍛える
レッグレイズは、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋や太もも前部にある大腿四頭筋、そして腹筋など、下半身の広い範囲を鍛えることができるトレーニングです。イスを2脚用意して次の手順で行いましょう。
①イスの背もたれ側を向かい合わせにして並べる(間隔は肩幅程度)
②背もたれの上部をしっかり握る
③ひざを胸に当てるようにゆっくり持ち上げる
④両脚をまっすぐ前に伸ばす
⑤手順③の体勢に戻す
⑥足をゆっくり下ろす
②背もたれの上部をしっかり握る
③ひざを胸に当てるようにゆっくり持ち上げる
④両脚をまっすぐ前に伸ばす
⑤手順③の体勢に戻す
⑥足をゆっくり下ろす
このトレーニングを10回×3セット行いましょう。ただ、このトレーニングは強度がたいへん高いため、筋力に応じた負荷になるように内容を調整することをおすすめします。腹筋が弱い場合は、足を前方に伸ばすのが難しいでしょう。そのため、ひざを上げる手順③までのトレーニングを行ってください。その際、1セット15回行うようにします。反対に負荷が足りない場合は、それぞれの手順で2~3秒キープするようにしてください。
まとめ
イスを活用することで可動域の広いトレーニングができます。その結果、自宅での自重トレーニングでも、十分な負荷やストレッチを得ることができます。ただし、運動強度も高くなるためオーバーワークにならないように注意しましょう。運動初心者は1日1種目、経験者でも2種目程度に抑えることをおすすめします。筋肉のストレッチをしっかり感じながらトレーニングすることで、ダイエットにも筋力アップにも効果を実感できるでしょう。
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