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「バルト三国」はヨーロッパ北部にあるエストニア、ラトビア、リトアニアの3国の総称です。3国間の移動がしやすく、治安も良い、食事も美味しいおすすめ観光地として注目されています。そんな中世の趣が残るバルト3国の、おすすめ観光スポットを紹介します。

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2019.5.5

ヨーロッパの隠れ家的魅力をもつIT先進国エストニア

エストニアはバルト3国の中で一番北にある国。首都タリンは、フィンランドのヘルシンキまでフェリーで2時間という近さ。「E-エストニア」の呼び名で知られるIT大国ですが、観光面でも充実しています。

「おとぎの国」の呼び名がぴったりのタリンの旧市街地

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「おとぎの国」という呼び方がぴったりのエストニアの首都タリン。赤い屋根と薄いパステルカラーの壁の家々が並ぶ街並みのあるタリンでは、旧市街地全体が「歴史地区」として世界遺産に登録されています。

タリンのシンボル「ヴィル門」

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歴史地区ではとにかく歩いてできる限りのランドマークを見ましょう。写真の建物は「ヴィル門」です。歴史地区を観光するときには、ほとんどの場合、最初にこの門を通って入ります。14世紀に作られた古いものですが、赤いとんがり屋根がその下に作られた古めかしいレンガ造りの塔の壁と対照的で、どこかかわいらしい雰囲気が漂います。

エストニアの森では滝が美しい

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タリンの市街地の周りには森がたくさんあるのですが、そこに流れている川が何カ所かで滝となって美しい風景を造り出しています。タリンの街の東側にあるのは高さ8ⅿ、幅50mの「ジャガラの滝」。そして西側にあるのが高さ6ⅿ幅70mの「ケイラ・ジョアの滝」です。どちらの滝も幅が広いのが特徴。高い崖のところから流れ落ちる日本の滝とは趣が違いますね。

風車のある風景「サーレマー島」

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エストニアのもう一つの見どころはバルト海に浮かぶエストニアで一番大きいサーレマー島。島にはシンボルにもなっている風車があちこちに見られます。風車の中では名物の黒パン作りを体験できる所もあるんですよ。もう一つこの島を有名にしているのが落ちて来た隕石でできた大きな穴「カーリ・クレーター」。落ちた隕石は複数あるのですが、その中でも最も大きな隕石によるクレーターには水が溜まり「カーリ湖」と呼ばれています。

バルト3国の中では2番目に大きな国、中世の面影が残るラトビア

ラトビアはバルト3国の真ん中の国です。首都はリガ。リガの旧市街地も世界遺産に登録されています。リガではヨーロッパでも最大級と言われる「セントラルマーケット」と素晴らしい庭園のある「ルンダーレ宮殿」が見逃せません。

アールヌーボーの建物が並ぶリガの歴史地区

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次の目的地ラトビアはエストニアの南側にある国です。首都はリガ。この町の「歴史地区」も世界遺産に登録されています。リガにはアールヌーボー調の建造物が約300もあり、中世の雰囲気が感じられるタリンの歴史地区とは趣が少し違います。アールヌーボーは19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスを中心として広がった「新しい芸術」を意味するスタイルのことです。その名の通りそれまでの形式にとらわれない自由な表現が特徴です。

ヨーロッパで最大級のリガの「セントラルマーケット」

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リガの街中をゆったりと流れる幅の広いダウガヴァ川。その川岸に並ぶ巨大な複数のカマボコ型のパビリオン。ここがヨーロッパで最大級と言われる「セントラルマーケット(中央市場)」です。パビリオンは肉、野菜、海産物、乳製品部門に分かれていて、それぞれの食品を販売しています。またパビリオンの他にも建物がありそこにはカフェやレストランやケーキショップなどが出店。広場では歌やダンスのパーフォーマンスも行われ、ラトビアの食と文化が一堂に集まった見逃せないスポットになっています。営業時間はパビリオンによって少し違いますが、基本的には毎日7:00 ~ 18:00まで。ゆとりのある営業時間がうれしいですね。

セントラルマーケットではこんなものを食べたい

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マーケット内あるカフェやレストランではぜひラトビアの味を楽しんでください。写真はサラダ付きのチキン料理。ビールと良く合うお味です。
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食事の後のデザートに食べたいペイストリー
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バルト海は海産物が豊富なところ、中でもサーモンは格別。中央市場でも新鮮なサーモンがたくさん売られています。

建物も庭園も素晴らしい「「ルンダーレ宮殿」

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リガから真南に50km、リトアニアとの国境近くまで行くと「ルンダーレ宮殿」に着きます。18世紀の中頃ビロン公の夏の宮殿として建てられたバロック・ロココ様式の建物です。建物は2階建てで138の部屋があります。建物内の一部は博物館になっていて、ラトビアの教会関係の芸術品を展示しています。展示物の美しさに圧倒されることでしょう。建物と並んで素晴らしいのが広大な敷地を持つ庭園。庭園内には池や噴水がアレンジされ、花壇には季節になるとバラの花が満開になります。

「小さなローマ」とも呼ばれる首都ヴィリニュスがあるリトアニア

リトアニアは十字架作りが盛んな国。世界遺産になっている歴史地区には教会が多く、また迫害された悲しい歴史を残す「十字架の丘」があります。その一方で優雅なお城のあるトラカイではリゾート地としてゆっくりとした時間が過ごせます。

5万以上の十字架が立つ世界遺産「十字架の丘」

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ラトビアから国境を越えリトアニアに入ってまず訪ねたいのが「十字架の丘」。ここはかつてロシアの弾圧に抵抗したリトアニアの人々が50,000個以上の十字架を立てたり飾ることによって築いた「巡礼の地」なのです。世界遺産にも登録された十字架の丘は十字架作りを手工芸とするリトアニアの象徴でもあります。

教会の多い優雅な「歴史地区」

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バルト3国の中で一番南にあるリトアニアの首都はヴィリニュス。この都市は内陸にあり、かつてポーランド領だったこともあります。旧市街地は他の2つの首都と同じように世界遺産に登録されています。タリンがおとぎの国で、リガが新芸術の都市だとすると、このヴィリニュスは教会の町だと言えます。まずここには城壁がないのが特徴です。教会にはヴィリニュス大聖堂を初め聖アンナ教会や聖カジミエル教会などどれも個性ある建築様式が魅力的です。

湖畔のリゾート地トラカイ

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トラカイはリトアニアのもう一つの主要観光スポットです。この湖畔のリゾート地は首都ヴィリニュスから西に30kmほど行った所にあります。カライム人、ユダヤ人、タタール人などいくつかの民族が住み、複雑な歴史を持つこのトラカイでは、14世紀ごろ防衛のために、湖の小さな島の上に「トラカイ城」が建てられました。城は荒廃した時期もありましたが、1961年に改築工事が完了し今ではオレンジ色のとんがり屋根のある落ち着きのある建物として人気観光スポットになっています。

アクセス

バルト3国に行くには、北側のエストニアからスタートする方法と南側のリトアニアから始める方法がありますが、当記事ではエストニアを出発点としているため、フィンランドのヘルシンキ経由で行くルートがベストです。ヘルシンキには、日本の成田、中部、関空からフィンランド航空または日本航空の便が出ています。所要時間10.5時間。
ヘルシンキからエストニアの首都タリンへは飛行機に乗り換えて行くこともできますが。フェリーを利用して移動することもできます。飛行機の場合の所要時間は0.5時間、フェリーの場合は約2時間で着きます。
バルト3国内の移動には、各旅行会社やツアー会社により様々なオプショナルツアーが用意されていますから利用するとスムーズな旅が楽しめます。

DTACエストニア観光情報局:http://www.dtac.jp/baltic_eeurope/estonia/
ラトビア政府観光局: https://ww3.latvia.travel/ja
DTACリトアニア政府情報局: http://www.dtac.jp/baltic_eeurope/lithuania/

オプショナルツアー参考サイト:
https://www.viator.com/searchResults/all?text=3%20baltic%20countries&destId=&localeSwitch=1
ツアー料金(現地発着):¥50,211~¥267,791

まとめ

日本からわずか10時間ほどで行けるバルト3国。どの首都も旧市街地は「歴史地区」として世界遺産に登録されています。それぞれに個性があり、訪れる人を飽きさせません。そして郊外に行けばリッチな文化を味わえるマーケットや豊かな自然、また歴史の重みを感じさせる負の遺跡などこの3つの国ならではの旅を楽しむことができます。昨今IT大国として世界的に知られているエストニアですが、研修や視察だけではもったいないですね。エストニアに併せラトビアとリトアニアを含むバルト3国の観光旅行を計画してください。
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オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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