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「酉の市」とは、毎年主に11月の酉の日に商売繁盛を祈願して行われるお祭りです。酉の日は全部で3つあり、それぞれ、一の酉・二の酉・三の酉とされています。商売繁盛を願って縁起熊手を買い、新年の商売繁盛・金運アップを願います。

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毎年11月に開催される”酉の市”

酉の市は酉の祭とも呼ばれているお祭りのことで、大酉祭やお酉様の名前でも知られています。
名前からも想像できるように、11月の酉の日にちなんでいますから、毎年11月に開催されるのが特徴です。
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関東圏を中心に開催されるお祭り

ただし、埼玉県ではおかめ市と呼ばれ、12月に開催される点が異なります。
埼玉県以外の地域では、東京都や横浜市などの関東圏を中心に、各地の神社で開催が行われています。
元々酉の市は、鷲神社と酉の寺や大鳥神社など、鳥にちなむ寺社の年中行事として有名です。
また、露店では手締めで縁起熊手を販売する様子なども、年末の風物詩となっています。

年によって回数が異なる

酉の日はその年によって回数が異なりますが、例えば2018年は3回ありました。
1回なら一の酉、2回なら二の酉というようにいい、三の酉がある年は火事が多いと考えられており、特に注意されます。

浅草 鷲神社

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このお祭りが最も有名なのは、やはり浅草台東区にある鷲神社でしょう。
祀られる日本武尊は、武運長久や開運に商売繁盛の神様でもありますから、商売人が多く訪れる神社です。

熊手御守

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かっこめと呼ばれる熊手御守は、毎年酉の市でのみ提供される、とても貴重なお守りとなっています。
かっこめははっこめともいわれるもので、神様の御分霊と捉えられます。
それだけありがたいお守りですから、商売繁盛を願うなら、酉の日に鷲神社に訪れて購入するのがおすすめです。
酉の日を逃してしまうと、次の年までお預けとなりますから、11月前に購入を決めたり足を運ぶことが大切です。
更に、11月中でも酉の日以外は販売がないので、こちらも間違えないように注意が必要です。
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酉の市の魅力は何といっても、様々な形の熊手が所狭しと並び、訪れる人に賑わいを感じさせてくれることです。
鷲神社は、入谷駅から歩いて7、8分のところにある神社ですが、そこはまるで空気が違うかのように雰囲気が変わります。
商売繁盛を願う人が集まる11月は特に、季節の寒さと相まって独特の魅力を感じさせます。
熊手目当てで訪れるも良し、雰囲気を味わう為に足を運ぶのもありですから、地域に根づく名物祭りに興味を持ったら酉の市が狙い目です。
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熊手の買い方

縁起熊手には買い方があって、基本的には予算内で買える魅力的なデザインのものを探します。
ピンとくる熊手を見つけた場合は、いわゆる値切りで駆け引きをすることになります。
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駆け引きも楽しみのひとつ

店主の威勢の良さに負けてしまうと、折角の駆け引きが楽しめなくなるので、負けないように応戦することが肝心です。
威勢の良い声の掛け合いは風物詩で、あちらこちらから聞こえてくるでしょう。
駆け引きに満足したら商談を決めますが、代金を支払う時にご祝儀として値切った分を渡すと喜ばれます。
この買い方は古くから粋とされていて、下町らしい魅力ある伝統文化だといえます。
ご祝儀を受け取った店主は、儲かった気分になって喜びますから、お礼に威勢の良い手締めで気持ちを返してくれます。
人情味のあるやり取りが楽しめるのは、下町に根づいている酉の市ならではで、商売繁盛を願う人達が集まる場所だからこそです。
大きな熊手は買いにくいものですが、小さく手頃なものも提供されますから、見栄を張らずに無理なく買えるものを選びましょう。

熊手を飾る場所

持ち帰った熊手は、玄関やリビングなどのなるべく高いところに飾るのが基本です。
方角は玄関なら入り口方向、家の中なら北を除く3方向のいずれかに向ければOKです。
何か強く望む願い事がある場合は、その願いに関係する場所のある方角に向けるのが良いです。
願い事が商売繁盛ならば、お店の方角に向けて熊手を飾るのもありでしょう。

身近な神社に買いに行こう

熊手が販売される酉の日は、浅草鷲神社だけでなく、関東圏の寺社なら広範囲で開催されます。
関西圏にも有名な寺社はありますから、身近なお寺や神社で行事がないか確認してみることをおすすめします。
地域の商人達を中心に賑わうお祭りは、大人も子供も楽しむことのできる、伝統的で活気溢れる魅力的なイベントです。

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「11月に行きたい名物祭り”酉の市”」のライター