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雨の季節になるとどうしても家に引きこもりがちに。でもそんな時こそじっくり楽しみたいのが美術館や博物館です。日本の各地には美術館・博物館がたくさんありますが、その中でも豪華で圧巻のおすすめ5選をご紹介します。

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2019.6.4

東京国立博物館 - 日本や中国の古典美術に出会える

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東京国立博物館は東京都内の上野公園に1872年に建てられた大型博物館。通称「トーハク」。上野公園は美術館や博物館が連立している所ですが、東京国立博物館は上野駅から行くと公園の一番奥にあるので、つい見逃してしまうことも。でも行って見るとそのスケールの大きさに驚かされます。建物はざっと数えただけでも本館、平成館、東洋館など全部で9つ。全部を回るのにはかなりの時間を要しますが、まずは本館。
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博物館の本館は「日本ギャラリー」になっていて、日本の古典美術品が展示されています。1階には彫刻品、陶磁器、刀剣類が展示され、2階には縄文時代から江戸時代に至るまでの各時代の美術品が展示されています。あるものは何百年か前のもの、また何千年前に創作されたものもあります。その中には国宝や重要文化財に指定されたものも含まれています。普段は本や画像でしかみることのない洗練された素晴らしい日本の美術品。ぜひ堪能してください。
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屏風エリアに展示された長谷川等伯の傑作「松林図屏風」。霧の中から何かが現れそうですね!そんなイメージを映像化したビデオが展示室の一角で上映されています。畳の上に座ってじっくり鑑賞できます。なお館内ではフラッシュを使わない限り写真撮影が許されています。
公式サイト:https://www.tnm.jp/
入場料: 一般620円、大学生410円

「象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~」 巨大象牙彫刻が圧巻!

©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

「象牙と石の彫刻美術館 ~ジュエルピア~」は静岡県の伊豆高原にある美術館。文字通り象牙と石の彫刻が展示されています。象牙は今では売買が禁止されていますが、ここに集められたものは規制が敷かれるずっと前に中国で作られたものです。美術館を開設した山元さんご夫婦が仕事の関係で中国に渡り滞在していたときに蒐集し、後に日本に持ち帰ったものです。最初は伊豆半島の土肥に「象牙美術宝庫」という名前で開設しましたが2014年に現在の所に移転しました。
©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

館内に展示されている作品は120点に及ぶ象牙彫刻が中心ですが、世界最大の宝石屏風や翡翠彫刻などもあります。どの作品も幅も高さもあるかなり大きいな物ばかり。
左の写真は30~50層の球が組み合わされて作られた「天球」と呼ばれる作品。手のひらに乗るくらいの大きさですが、親子2代掛けて作ったと言われています。各層が動くのがすごい!
©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

©象牙と石の彫刻美術館~ジュエルピア~

石の彫刻のコーナーでは中国の物語を表現したものが展示されています。写真は「西遊記物語」。

公式サイト: http://jewelpia.com/
入場料: 大人:1,200円 子供600円

21世紀金沢美術館 - ユニークなモダンアートを鑑賞

©金沢市

©金沢市

21世紀金沢美術館は、金沢市の兼六園の斜め向かいにある美術館。2004年に開館し現代美術を所蔵・展示しています。建物が円形をしていることから「まるぴぃ」または「21美」の愛称で親しまれています。この円形の建物は総ガラス張りで地上1階、地下1階になっています。特に決められた正面玄関がないのでどこからでも入ることができます。入場料は無料ですが、特別展の場合は入場料が発生します。
©金沢市

©金沢市

21世紀金沢美術館の一番の特徴は現代風のオブジェを多数展示していることです。その中の一つが「スイミングプール」。この作品は上からも下からも鑑賞できるようになっていますが、どちらから見ても人間がまるで本当のプールの中にいるように見えます。トリックは上部の所に設置された深さ約10センチのガラスのケースに水が入れられていることです。これだけで光が屈折しプールの中に水が入っているように見えます。展示されているモダンアートには、その他「雲を測る男」「アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3」「あなたは自分を再生する」などユニークなオブジェが鑑賞できます。
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館内にはいろいろなイベント向けの貸切会場もあります。その一つが「市民のギャラリー」。この会場の壁にはみごとな絵が装飾されています。
By scarletgreen from Japan - kanazawaa2105fUploaded by Ekabhishek, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12144347
©金沢市

©金沢市

21世紀金沢美術館に敷地内には「松涛庵(しょうとうあん)」という茶室もあります。この茶室、実は江戸の末期に加賀藩(現在の石川県南部)の藩主 前田斉泰が江戸根岸に建てたものですが、その後一時鎌倉に移築され、次いで金沢市に移され現在のところに収められたと言う歴史の長い茶室なのです。お茶会などの催し物に利用できますが、一般の見学も可能です。
公式サイト:https://www.kanazawa21.jp/
入場料:館内入場は無料。展覧会の入場料は、一般1200円~、大学生800円~

大塚国際美術館 - 世界の名画1,000余点を陶板で原寸大に再現

©大塚国際美術館        正面玄関

©大塚国際美術館     正面玄関

大塚国際美術館は、徳島県鳴門市の鳴門公園内にある美術館です。大塚グループが創立75周年を記念して1998年に開館したものです。館内では、ヴァティカンの「システィーナ礼拝堂天井画および正面壁画」「モナ・リザ」「スクロヴェーニ礼拝堂壁画」など世界26か国の190余の美術館が所蔵する名画約1,000点を「陶板名画」で原寸大再現・展示しています。鑑賞ルートを全部歩くと約4km。歩くだけで約1時間はかかる日本最大級の美術館です。
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スクロヴェーニ礼拝堂(大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです。)
©大塚国際美術館
陶板名画とは、陶器の大きな板に、原画に忠実な色彩・大きさで作品を再現したものです。制作には高い技術を駆使し、現地調査、転写、焼成、レタッチなどいくつもの工程を通って完成されます。こうして作られた陶板名画の色や形は半永久的(2000年以上)に保存できるため、屋外に展示したり、そっと触れて画面の質感を感じることができるほか、文化財の記録保存としても活用されています。作品との写真撮影も可能。
大塚国際美術館では毎年テーマに沿って季節毎にイベントが開かれます。2019年のテーマは「2019年春夏秋冬フレンチアート 大塚国際美術館で遊びつくす!」。6/1(土)から8/31(土)まで第2弾が開かれます。期間中の毎週土日はもっと知りたい!アートツアー「名画の中のレボリューション 革命的絵画」などが開催されます。
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モネの「大睡蓮」(大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです。)
©大塚国際美術館
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モネの「大睡蓮」は、「自然光で見て欲しい」という画家の願いに応え、陶板の特性を生かした屋外展示です。周りの池では6月~9月にかけて美しい睡蓮の花が見頃。雨の日は睡蓮の花もより生き生きとみずみずしく、さらに違った風情が楽しめます。また、隣接するカフェ・ド・ジヴェルニーではモネの「睡蓮:緑のハーモニー」をイメージしたパフェが登場します。
公式サイト:http://o-museum.or.jp/
入場料:一般 3,240円、大学生 2,160円、小中高生 540円

鳥取砂丘砂の美術館 - 砂丘の砂で作った彫刻を展示

©鳥取県撮れたて写真館

©鳥取県撮れたて写真館

「鳥取砂丘 砂の美術館」は、2006年に開館した鳥取県にある美術館。鳥取砂丘の砂を素材にして制作した彫刻作品を展示しています。世界で初めての砂の彫刻美術館です。プロデューサーは自身も砂彫刻家である茶圓勝彦氏。美術館の基本コンセプト「砂で世界旅行」に基づいて毎年1月から3月の間に異なるテーマを決め、世界各国からアーティストを招き制作し展示会を開催しています。
©鳥取県撮れたて写真館

©鳥取県撮れたて写真館

広い館内はいくつかに区画されサブテーマ毎に作品が作られています。第12期を迎えた2019年の展示テーマは「南アジア」。すでに4/13(土)から始まっており、2020/1/5(日)まで開催されます。

夜間には各作品にスポットライトが当てられるので、落ち着いた雰囲気の中でさらに作品の観賞が楽しめます。
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これまでに開かれた展示会には、「第1期 イタリアン・ルネッサンス」「第6期砂で世界旅行・東南アジア編~王朝の栄華とよみがえる神秘の国々~」「第10期砂で世界旅行・アメリカ編~世界に誇る大自然と自由の国を訪ねて~」などがあります。
©鳥取県撮れたて写真館
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広い展示場はいくつかの区画に分けられ作品が展示されています。館内には展示会場の他展望広場があり、ここからは鳥取砂丘が一望できます。

公式サイト: http://www.sand-museum.jp/
入館料: 一般 600円、小中高校生 300円

まとめ

知られているようで意外と知られていない国内の豪華で圧倒的な美術館・博物館。その5選をご紹介しました。もちろん雨の日でなくても十分楽しめる所ばかりですが、梅雨の季節ならもっとじっくりと観賞することができるのではないでしょうか。「雨にも負けず・・」ぜひ足を運んで各美術館・博物館の素晴らしい展示物を堪能してください。
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オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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「雨の日におすすめ!じっくり楽しめる豪華な「美術館・博物館」5選 」のライター