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秋になったら見逃せないのが紅葉狩り。紅葉の美しいところは数ありますが、今年は小京都と呼ばれる京都に似た佇まいを持つ所を訪ね、紅葉を楽しんでみるのはどうでしょう。日本全国から選んだ小京都紅葉スポットと本場京都の紅葉をご紹介します。

静岡県 森町 「遠州の小京都」

静岡県 森町 「遠州の小京都」

秋になったら見逃せないのが紅葉狩りですね。紅葉の美しいところは数ありますが、今年は小京都と呼ばれる京都に似た佇まいを持つ所を訪ね、紅葉を楽しんでみるのはどうでしょう。日本全国から選んだ小京都紅葉スポットと本場京都の紅葉をご紹介します。

小京都とは

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日本全国には「小京都」と呼ばれる町並みが43カ所あります。小京都とは、1985年に結成された「全国京都会議」が定める基準に適った市町村に付けられる称号。次の3つの条件を一つでも満たしていることが基準になっています。

①京都に似た自然景観、町並み、たたずまいがある
②京都と歴史的なつながりがある
③伝統的な産業、芸能がある
(引用元:全国京都会議 https://shokyoto.jp/ml/ja/top/

秋田県川内市角館「みちのくの小京都」

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秋田県の田沢湖から南に10kmほどのところにある川内市角館(かくのだて)は、藩政時代の武家屋敷が大変良い状態で保存されているエリアです。その風情ある町並みから「みちのくの小京都」と呼ばれています。中でも国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている武家屋敷通りは、紅葉の季節になると通りの両側に色とりどりの紅葉が並び見事な景観を造り出します。特に角館の紅葉は、赤一色ではなく、赤、紅色、だいだい、オレンジ、黄、山吹き色、緑と7つの色相に分かれ、その微妙な色の違いが何とも言えない繊細な風景を醸し出します。例年の見ごろは10月下旬から11月上旬。10月1日(火)から11月30日(土)まではライトアップが行われます。
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角館でのもみじ狩りでは、もちろん紅葉だけでも十分楽しめますが、角館に残る武家屋敷をぜひ見学して行ってください。角館の北部は内町と呼ばれ武家屋敷が10カ所以上集まっている所です。この中でいくつかの武家屋敷の見学が可能ですが、中心となるのは青柳家。青柳家の敷地内にはさまざまな建物が存在し、「歴史村」として整えているので見ごたえがあります。また、角館の南部は外町と呼ばれ、商屋が栄えた所で、今でもその面影が残っています。

公式サイト: https://www.akitafan.com/special/kouyou/spot/24379
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武家屋敷でのもみじ狩りの後は、秋田の郷土料理「きりたんぽ」を味わってみてください。きりたんぽはうるち米で作った「たんぽ餅」を鍋に加えてもの。涼しさが少し増してくる紅葉の季節には、この鍋料理がなおさらおいしく感じられることでしょう。

静岡県周智郡森町「遠州の小京都」

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「森の石松」で知られる静岡県周智郡森町。森町は全国京都会議で決められた小京都の3つの条件を満たし、「遠州の小京都」と呼ばれています。
まず地形。三方が山に囲まれて、町の中央に太田川が流れている様は京都に似ており、街中には4条、5条に匹敵する町並みが残っています。次に森町の小國神社や天宮神社の舞楽が京都の舞楽を受け継いでいることや、山地や神社などが京都の山地や神社とつながっていることがあげられます。そして最後に、森町にはお茶の生産という伝統的な産業があり、森山焼という陶芸が受け継がれています。
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森町の紅葉のメインスポットは小国神社。境内には約1000本のもみじが植えられていて、色づいた風景は壮観そのもの。特に、境内に流れている宮川の上流エリアには遊歩道が作られており、川の両側の美しいもみじが何とも言えない風情を醸し出しています。
静岡県内で人気度3位を誇る小国神社の紅葉は、11月下旬から12月上旬が見ごろ。11月24日(日)にはもみじ祭りが開催されます。

公式サイト:https://www.mori-kanko.jp/
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森町の名産は緑茶と和菓子。温暖な気候と水はけの良い土質がお茶の生産に適した環境を作りだしています。さらに町の周辺にある森林から霧が発生し適度な水分が補給され、高品質のお茶が生まれます。渋くそれでいてまろやかな味わいが和菓子にぴったりです。

兵庫県丹波篠山市「丹波の小京都」

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兵庫県の中東部にある篠山(ささやま)市は古い町並みが残る城下町。「丹波篠山」の呼び名でも知らています。町並みの美しさや周囲の自然が京都と似ていることから「丹波の小京都」と呼ばれています。市内には篠山城の城跡が残っており、市内には、「篠山城跡」と復元された「大書院」、旧篠山藩主青山家の別宅を改築してオープンした「青山歴史村」、狭い間口に対して奥行きのある妻入商家が600mに渡って続く「河原町妻入商家群」など、歴史を感じさせるスポットが数多くあります。
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丹波篠山とその隣の丹波市には紅葉の美しいスポットが数多くあり、紅葉の季節になると美しい彩を添えてくれます。篠山城跡に復元された大書院を初め、和田寺、高山寺、大国寺、宇土観音 弘誓寺などの寺院は紅葉の名所にもなっています。特に、和田寺山の和田寺には「せんじゅの森」があり、ここには遊歩道が整備されているので散策をしながら紅葉を眺めることができます。その他、王地山公園は全体が「もみじ谷」と呼ばれ公園全体が赤く染まります。この公園の高見からは丹波篠山の町が展望できます。

公式サイト:https://tourism.sasayama.jp/association/otasuke/-4.php
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丹波地方では、ちょっと珍しいものですが、鹿の肉料理が味わえます。脂身がほとんどないヘルシー料理として人気。写真のようにスライスしてたたきにして食べたり、しゃぶしゃぶにしたりして食べます。

福岡県朝倉市秋月「筑前の小京都」

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福岡県朝倉市の城下町「秋月(あきづき)」。豊臣秀吉の家臣であった黒田家の秋月城の跡が残り、城下町は風情があり「筑前の小京都」と呼ばれています。秋月の町中をまっすぐに走っているのは「杉の馬場」と呼ばれる道路。ここは江戸時代、武士が乗馬を稽古するのに使った場所でした。道の両脇には杉の木が立ち並んでいることからその名がつけられました。杉の馬場を進んでいくと「瓦坂」という坂に出ます。坂であり同時に堀に作られた橋にもなっています。昔の面影をそのまま残す秋月の見どころの一つです。
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秋月は春の桜と並んで秋の紅葉も美しいところです。杉の馬場の突き当たりのエリアにはカエデが数多く植えられていて美しい光景を造り出したいます。その鮮やかな色彩が、秋月のシンボルでもある黒門に良く映えます。また敷地内には赤い番傘も立てられ彩を添えます。紅葉の見ごろは11月下旬から12月上旬。

公式サイト: http://www.city.asakura.lg.jp/www/contents/1420604932573/index.html
秋月でのおすすめは本葛で作ったスイーツ。1819年創業の老舗「廣久葛本舗(ひろきゅうくずほんぽ)」が有名です。葛粉は葛の根に含まれる白色の成分。根に7~10%しか含まれていないため「白い金」とも呼ばれ貴重な存在。その葛粉で作ったスイーツを味わってください。

本場京都一の紅葉が見れる「嵐山 宝厳院」

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京都嵐山にある天龍寺塔頭「宝厳院」。その紅葉は京都一と言われるほどの美しさで知られています。この寺院は普段は一般のアクセスができないのですが、春の青もみじと秋の紅葉の際に一般公開されます。庭園に植えられたモミジは全部で300本ほど。紅葉の見どころは11月下旬~12月上旬。11月8日(金)~12月1日(日)まではライトアップがあります。庭園内のライトアップに併せ路地の灯籠にも灯がともるので寺院の周辺一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。
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地面に苔の生えた宝厳院の庭園は「獅子吼(ししく)の庭」と呼ばれ、嵐山の景観をモデルにして造園されたものです。獅子吼というのは「仏が説法する」という意味だそうで、回遊式に設計されたこの庭園内を歩きながら、鳥の声や風の音に耳を澄ませ美しい紅葉を眺めれば、心が洗われることでしょう。

公式サイト: http://www.hogonin.jp/
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京都に行ったら味わいたいのが「京料理」ですね。下京区 塩屋町にある「旬味旬彩 太一」では写真のような紅葉に因んだ料理を出してくれます。

まとめ

紅葉の名所は日本全国に数多くありますが、当記事では、各地の「小京都」の中から、紅葉の美しいエリア4カ所と本場京都の紅葉の名所をご紹介しました。今年の紅葉狩りは、こうした情緒あるスポットに出かけ、紅葉の観賞だけでなく建物や町並みの美しさも同時に楽しんでみるのはどうでしょうか。ぜひ計画を立ててみてください。
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オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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