福岡県宗像市にある「沖ノ島」。周辺の島や神社など全部で8つのスポットが、2017年に世界遺産に登録されました。「神宿る島」と呼ばれる沖ノ島は、海の正倉院とも言われ、数多くの宝物が採掘されています。神秘に満ちた宗像市の世界遺産に足を運んでみましょう。
2020.3.14
世界遺産「宗像・沖ノ島と関連資産群」とは
OpenStreetMap contributors, and Pekachu - Coastline and Border based OpenStreetMap., ODbL, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=42040194による
国内外を問わず、世界遺産といえば、そのほとんどすべては実際にその場に足を運んで見学することができますね。ところが福岡県宗像市にある世界遺産「沖ノ島」には、一般の人は上陸が許されていないのです。それは「沖津宮」という神社があるこの島は「聖域」と考えられているからです。だったら観光に行けない? と思うかもしれませんが、心配にはおよびません。上陸はできないものの、そこから49km離れた世界遺産の構成資産である「大島」から遠望することができます。しかも大島は見どころが多い島なので、世界遺産を見学しながら観光を満喫することができます。
宗像市の世界遺産に登録された構成資産には、3つの宮を持つ宗像大社が含まれています。1つ目は上陸できない沖ノ島にある「沖津宮」、2つ目が大島にある「中津宮」、そして3つ目が九州本土にある「辺津宮(へつみや)」です。この3つの神社には「宗像三女神」が祀られています。世界遺産の登録要件では「ある文化的伝統または文明の存在を伝承する無二もしくは希有の物証」として認められているのです。
公式サイト:http://www.munakata-taisha.or.jp/index.html
公式サイト:http://www.munakata-taisha.or.jp/index.html
神宿る島「沖ノ島」
今回の世界遺産の中でもメインとなる(ただし上陸できない)沖ノ島は、朝鮮半島と日本列島の間にある玄界灘のちょうど真ん中にあります。宗像市の本土からは直線にして約60km。昔から東アジア内の文化交流の地であり、また海の安全を守る神を祭ってある聖域として崇められてきました。海の正倉院とも呼ばれ、1000年以上も前に作られた宝物8万点が発掘されています。宝物は、銅鏡、武器、工具、装身具、馬具、金属製雛形品、滑石製品、土器、貝製品など。これらの宝物は国家の繁栄と海上の安全を祈願するお供えとして献上されたものです。発掘された宝物はすべて国宝に指定され、本土にある辺津宮の「神宝館」で展示または所蔵されています。
では、宗像市の世界遺産巡りを始めましょう。
では、宗像市の世界遺産巡りを始めましょう。
九州本土にある宗像大社「辺津宮」
まずは宗像市の市内にある「辺津宮」からスタートします。辺津宮は1578年に建てられた神社。広い敷地内に本殿を初め、祈願殿、神宝館などいくつかの建屋が作られています。時間があれば次のような順序で回ると辺津宮の主要個所を見学することができます。
太鼓橋 → 神門 → 本殿 → 高宮参道 → 相生の樫 → 高官祭場 → 第二、第三宮 → 神宝館
さらに詳しい情報はこちらを参考にしてください。
http://www.munakata-taisha.or.jp/html/keidaimap.html
ここで絶対見逃せないのが神宝館。沖ノ島で発掘された宝物8000点が展示または所蔵されています。
宗像大社神宝館公式サイト:http://www.munakata-taisha.or.jp/html/shinpoukan.html
拝観料:一般800円
太鼓橋 → 神門 → 本殿 → 高宮参道 → 相生の樫 → 高官祭場 → 第二、第三宮 → 神宝館
さらに詳しい情報はこちらを参考にしてください。
http://www.munakata-taisha.or.jp/html/keidaimap.html
ここで絶対見逃せないのが神宝館。沖ノ島で発掘された宝物8000点が展示または所蔵されています。
宗像大社神宝館公式サイト:http://www.munakata-taisha.or.jp/html/shinpoukan.html
拝観料:一般800円
九州オルレ 宗像・大島コース
辺津宮の観光が終わったら次は大島に移動します。九州本土から11km離れた所にある大島は見どころの多い島です。その魅力を満喫するにはモデルコース「九州オルレ 宗像・大島コース」に沿って散策するのがおすすめです。(オルレとはトレッキングのこと。)
「宗像大社 中津宮」を参拝
大島は周囲15kmの島です。この島に行くためには、本土の神湊港まで移動し、そこからフェリーに乗ります。中津宮は、大島港から歩いて約5分。中津宮の境内には「天の川」という川が流れていて、この名前が示すように、中津宮では毎年7月に七夕祭りが開かれます。1年の内で最も大切な行事になっています。
中津宮ではまず本殿を参拝し、次にその裏から出ている970mの道を歩いて御嶽山の山頂へ向かいましょう。ここには展望台があります。晴れた日には沖ノ島や壱岐、そして福岡ドームや福岡タワーなどが遠望できます。
中津宮ではまず本殿を参拝し、次にその裏から出ている970mの道を歩いて御嶽山の山頂へ向かいましょう。ここには展望台があります。晴れた日には沖ノ島や壱岐、そして福岡ドームや福岡タワーなどが遠望できます。
中津宮と御嶽山の後は、散策路が整備されていますから、それに沿って歩きます。大島の主要なスポットをもれなく楽しむことができます。美しい海や遠方に見える島を見ながら、また島内に咲く野生の草花をながめながら散策を楽しみましょう。
砲台跡に作られた「風車展望所」
「風車展望所」は大島の北部に作られたものです。かわいらしい風車がとても素敵で、インスタ映えしますね。この小高い丘には、昔、防衛のための砲台が作られていました。その跡地を使って作られたのがこの展望所です。
大島の沖津宮遙拝所から沖ノ島を拝む
さて、次は大島の散策で絶対見逃せない「大島・宗像大社沖津宮遙拝所」です。すでに触れましたが、沖ノ島には上陸できないため、大島に作られた遙拝所から沖ノ島の沖津宮を拝むことになります。遙拝所は島の北側海岸のちょうど中央にあります。
かんす海水浴場「夢の小夜島」
大島の東側には「かんす海水浴場」があり、ここには「夢の小夜島(さよしま)」という小島があります。この島は、「筑紫道中記」の中で歌われた島で、すぐそばに鳥居が立ち、なんとも風情があります。海水浴場としての施設も完備されているので夏なら海水浴を楽しむことができます。また、すぐ近くには「大島交流館」があるので足を運んでみましょう。沖ノ島を初めとする世界遺産の詳細史料が展示されています。
これで大島の主要スポットのトレッキングは終わりです。このトレッキングは中・上級者向きで、所要時間は4から6時間。大島には、その他にも興味深いスポットがあるので、時間があれば他のスポットも訪ねてください。
参考サイト: http://www.muna-tabi.jp/list/140/010/
これで大島の主要スポットのトレッキングは終わりです。このトレッキングは中・上級者向きで、所要時間は4から6時間。大島には、その他にも興味深いスポットがあるので、時間があれば他のスポットも訪ねてください。
参考サイト: http://www.muna-tabi.jp/list/140/010/
夜は博多でグルメ満喫
宗像市で世界遺産や自然を満喫した後は、福岡市に足を延ばしてグルメを満喫しましょう。特に博多区には3つのエリアに屋台街があり、独特な雰囲気が漂います。
低額で地元料理が味わえる博多屋台街
高級レストランでは博多和牛料理を
もう少し高級なレストランで食事をという場合には、博多和牛料理がおすすめです。こちらも博多区に何軒か料理店があるのでぜひ味わってください。
宗像大社辺津宮へのアクセス
国内各地から福岡空港へ移動。姪浜行きの地下鉄空港線に乗換えJR博多駅で下車(約6分)。次はJR鹿児島本線に乗車しJR東郷駅で下車(約30分)。大社口から「神湊波止場行き」のバスに乗り「宗像大社前」で下車(約12分)。
まとめ
福岡県宗像市にある世界遺産「宗像・沖ノ島と関連資産群」。昔から東アジアの文化交流の場として、また海の安全を祈願する聖域として大切な役割を果たしてきました。宗像大社を訪ね、沖ノ島を遙拝し、大自然の中を散策。都会の雑踏を離れ、神聖な雰囲気にひたりゆっくするそんな素適な旅を計画してみてください。
写真提供:福岡県観光連盟
まるで美術館のようなメルボルンの「ビクトリア州立図書館」
死ぬまでに一度は行きたいシリーズまるで美術館のようなメルボルンの「ビクトリア州立図書館」
setsukoT
オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。
©福岡県観光連盟