たくましい大胸筋にあこがれて、腕立て伏せを日課にしている人は少なくありません。しかし大胸筋の上部は、自分の体重を利用した筋トレでは高い負荷を与えにくい厄介な部位です。そこで今回は、自宅で効率的に大胸筋上部を鍛える方法を解説していきます。
大胸筋上部を鍛えるポイント
大胸筋の上部を肥大させるためには、筋繊維に沿った高負荷の筋力トレーニングが必要です。そのため、ジムにあるフリーウエイトやマシンなどを利用して、大胸筋上部を狙ったトレーニングをしている人は少なくありません。しかし、ジムに行けない場合でも、やり方を工夫をすれば、自宅で効率的に大胸筋の上部を鍛えることができます。
ポイントは、様々な角度から複合的にアプローチすることです。そのためには、ストレッチ種目と負荷の高い自重トレーニングを取り入れることが重要です。次からは、大胸筋上部を鍛えるための3つのトレーニング種目について説明していきます。
インクライン・ペットボトルフライ
「インクライン・ペットボトルフライ」は、水を入れたペットボトルを持って行うトレーニング法です。強度は低いですが、大胸筋上部全体をしっかりストレッチできるため、トレーニングの最初に実践したい種目です。インクライン・ペットボトルフライは、次のような手順で行ってください。
①2リットルサイズのペットボトルを2つ準備し、それぞれに水を入れる
②ソファーを背に床に座り、ソファーの座面に後頭部がくるように上体を後傾する
③両手にペットボトルを持ち、真上に腕を伸ばす(セットポジション)
④4~5秒かけて腕を横に広げ、胸を広げるように大胸筋の上部をストレッチする
⑤2秒ほどかけてペットボトルをセットポジションに戻す
②ソファーを背に床に座り、ソファーの座面に後頭部がくるように上体を後傾する
③両手にペットボトルを持ち、真上に腕を伸ばす(セットポジション)
④4~5秒かけて腕を横に広げ、胸を広げるように大胸筋の上部をストレッチする
⑤2秒ほどかけてペットボトルをセットポジションに戻す
インクライン・ペットボトルフライは負荷が低いため、1セット20回ほど行いましょう。なお、トレーニングで腕を横に広げる際に、ひじの角度は90度以上になっていることが重要です。また、適当なソファーがない場合は、上体を後傾できるイスや代わりになる台を利用してください。
インクライン・プッシュアップのスロートレーニング
自重で大胸筋上部に強い負荷を与えるためには、プッシュアップ(腕立て伏せ)に角度をつけた「インクライン・プッシュアップ」が有効です。基本的な手順は次のようになります。
①床に両手をつき、足を台に乗せる
②手の幅は肩幅程度、手の指先は上方向、顔は下を向く
③4~5秒かけて上体を下ろす
④2秒ほどかけて上体を持ち上げる
②手の幅は肩幅程度、手の指先は上方向、顔は下を向く
③4~5秒かけて上体を下ろす
④2秒ほどかけて上体を持ち上げる
回数は、1セットあたり6~10回が基本です。また、トレーニング強度を高めるためには、筋肉が伸びる際にしっかり負荷をかけることが重要です。そのため、上体を下ろす時間に4~5秒かけましょう。そうすることで、自重や低回数でも筋肉に強い刺激を与えることができます。
変化をつけたインクライン・プッシュアップ
インクライン・プッシュアップに変化をつけた方法で、大胸筋上部に違った刺激を与えましょう。トレーニング手順は、通常のインクライン・プッシュアップで床についた手の指先を、上方向ではなく横方向にします。さらに手の幅を、拳一個分狭くしてください。この状態で、通常のインクライン・プッシュアップと同様の手順でトレーニングを行いましょう。このトレーニングでは、特に大胸筋上部の内側に効かせることができます。
大胸筋上部を鍛えるトレーニングのセットの組み方
トレーニングに慣れるまでは、1種目ずつフォームを確認しながら、またどの程度の負荷を感じるか確認しながら行ってください。確認ができたら、これまで説明した3種類のトレーニングを組み合わせましょう。おすすめの手順は次のようになります。
①インクライン・ペットボトルフライ(20回)
②指先を横向きにしたインクライン・プッシュアップ(6~10回)
③通常のインクライン・プッシュアップ(6~10回)
②指先を横向きにしたインクライン・プッシュアップ(6~10回)
③通常のインクライン・プッシュアップ(6~10回)
①~③まで、インターバルを挟まずに行ってください。2分休憩したあと、再度①~③を行いましょう。セット数は、まずは2セット、慣れたら3セットが目安です。
強度が足りない場合は、回数やセット数を増やさず、一回にかける時間を増やすようにしてください。たとえば、上体を下ろす時間を6秒、上体を上げる時間を3秒に伸ばすなどです。それでも足りない場合は、最終セットの最後に、負荷をかけた状態で限界が来るまで維持しましょう。なお、ペットボトルを準備できない場合は、インクライン・プッシュアップの2種目を負荷を調整しながら行ってください。
まとめ
今回説明したような、筋肉の伸展時に負荷がかかるネガティブを重視したスロートレーニングを行うことで、自重でも強度を高めることができます。ただし、予想以上に負荷がかかることもあるため、トレーニング頻度は多くても週2回にとどめておいてください。
大胸筋上部が肥大すると、形がきれいに、そして大きく見えます。また、大胸筋全体や下部の発達もスムーズになります。「大胸筋を発達させたいけど、なかなかジムに行けない…」このような人は、ぜひ今回のトレーニングを続けてみてください。
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