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スマホやタブレットなどのモバイル端末を持たずに過ごす。デジタルデトックスは、1日でもハードルの高いことではないでしょうか?脳の疲れを解消し、情報管理能力を更新するため、挑戦してみました。どんな不安と解放感が待っていたのかお伝えします。

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2019.4.17

モバイル端末断ちのきっかけ

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モバイル端末断ちをしようと思ったきっかけは、2つありました。ひとつは、SNSやブログで定期的に見かける「スマホ断ち」「ネット断ち」という言葉です。経験者の皆さんがあまりにも幸福そうに元の居場所(SNSやブログ)へ戻ってくる様子を、とてもうらやましく感じたのです。
もうひとつは、情報の取捨選択、管理能力を更新したかったからです。便利そうなアプリは、とりあえずインストール。あとで読み返すつもりで、手当たり次第にブックマーク。にもかかわらず、翌日には熱が冷めて、一切合切削除する。私の脳は、まるでアップデートしていないOSにそっくりでした。
では、実際にモバイル端末断ちを実行した際の環境、日数、条件について説明します。
  • 環境 在宅勤務なので主に自宅 民放と光テレビあり 固定電話あり
  • 日数 1週間
  • 条件 タブレットは完全に封印 スマホは在宅時のみ封印で外出時はメールのみ
    デスクトップパソコンは業務のみ
仕事の関係上、完全にネットとメールを中断することは不可能ですが、「プライベートな目的でネットとメールを使わない」というミッションは実行できました。ちなみに、ご近所付き合いは活発なので、災害時の連絡は心配無用という環境です。

不安感の次に訪れたもの

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モバイル端末を持たずに過ごすと、お気に入りのニュースサイトもキューレーションサイトも見られません。最初は不安でしたが、やがて慣れ親しんだ「自分向けの情報」が手元になくても、「みんなのための情報」には不自由しないのだと気が付きます。
国民が健康で安全な生活をおくるために必要な情報は、テレビで知ることができます。どこかの飲食店に入れば、ラジオ、雑誌、新聞から、ニュースや娯楽が得られます。もちろん、自分向けに編集された情報ではないので、下品なバラエティ番組に毒づくこともあれば、シンプルな旅番組で感動することもありました。
印象的なのは、民放テレビの企業コマーシャルの多さと、通販コマーシャルのしつこさに辟易したことです。子どもの頃は我慢できたはずなのに、大人になってから「コマーシャルへの耐性」が薄れてしまったようです。ポップアップ広告が無限に続くような苛立ちを覚えました。
自分向けの情報が手元にない不安の次には、きっと退屈が訪れるのだろうと思いましたが、訪れたのは強烈な焦燥感でした。原因不明の焦燥感に駆られるたびに、衝動的にドライブに出かけて、気になっていたお店を軒並み巡回して、読みかけの小説を手に取りました。
落ち着かず、黙っていられないので大忙しですが、何より困ったのは、今度はその行為をSNSやブログにアップしたくなることでした。

焦燥感の次に得たもの

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モバイル端末を持たないことに慣れたのは4日目が過ぎてからでしょうか。いちいち写真を撮らなくても、静かに目の前の風景を楽しめるようになったのです。興味のおもむくままにお店を開拓して、店員さんとのんびり世間話をしました。小説を読むときは、時間を忘れて没頭できるようになりました。
どうやって焦燥感を乗り越えたのかというと、感情があふれそうになった時、モバイル端末の代わりにノートとペンを使うようになったからです。
文字でもイラストでもかまいませんが、紙に書くことが大切な作業になりました。何事もジャッジを急がずに、もう少し眺めよう、状況を把握しよう、考えを練ろう、分析しようと思えるのです。
少しでも喜怒哀楽が動くと、どこかに発信せずにいられなかったのは、情報の取捨選択および管理能力がエラーを起こしていたのだと、今はわかります。
スマホの電源を切って手持ち無沙汰になった時間の向こうに、果たして何が待っているか?あなたも試してみてはいかがでしょう。プライベートな時間が長い休日より、平日の方がチャレンジしやすいかもしれません。
しらとはる

しらとはる

北海道在住のフリーライター。モットーは中庸の王道。スピリチュアルから家計費の節約まで、興味の赴くまま文章を書いています。

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