目次

「鞍馬の火祭」は、京都三大奇祭のひとつ。また、京都三大火祭りにも数えられています。毎年10月22日の夜に行われ、鞍馬の火祭は、かがり火の炎のなかを練り歩きます。

 (1243)

京都三大奇祭と京都三大火祭りのひとつ”蔵馬の火祭”

京都三大奇祭そして京都三大火祭りのひとつとして数えられる蔵馬の火祭を見るために、多くの人が京都を訪れます。祭りが開催されるのは10月の22日で、同じく京都の名物である時代祭と同じ日となっています。

由来

この鞍馬の火祭というのは、どういう由来で始まったのかと言うと平安時代である940年に御所で祀られていた由岐明神という御祭神を蔵馬の山に移したときの出来事です。その時の行列では松明を持ったお供がつき、周辺の住民は葦でつくったかがり火を焚いて出迎えたということです。その行列は1キロにも及ぶ長さがあったといわれており、その素晴らしい光景を後世に伝えるべく住民が行事としたのです。

どんなお祭り?

では現代の祭りでは、どんなことをするのかについてですがまず、夕方になると神事触れが始まり、小さい松明を持った子供、その次に大きな松明を持った大人が「サイレイヤ、サイリョウ(祭礼や祭礼という意味」と呼びかけながら、鞍馬街道を練り歩きます。
gettyimages (1241)

神事触れを合図に各所に設置された松明に火が灯されていき、そして「仲間」という地域の集団のいる御旅所にいきます。

その後、いくつかある「仲間」から大松明が出発して、鞍馬寺の山門を目指します。「仲間」から来た松明たちが、山門に集まり「サイレイヤ、サイレイ」と声を上げます。
 (1759)

松明はどんどんと燃えていき、ついには木をまとめている藤の根が焼き切れてしまうとそれを倒して捨てていきます。すべての松明が焼き倒されるまで続きます。
 (1754)

一方で山門の石段下にある注連縄がかかっているので注連縄伐りの儀式を行うと、由岐明神を祀った由岐神社からは神輿が下がっていくのですが、そのとき「チョッペン」という儀式が行われます。これはふんどし姿の2人の男性が、神輿の担ぎ棒を掴み逆立ちをして大きく股を開くというものです。何も知らない人が見れば奇妙な儀式ですから、奇祭と呼ばれるのも当然なのですが、かつては大人として認められる元服の儀として行われていました。
 (1756)

松明を担いでいた人は、下りてきた神輿を掛け声を出しながら担いでいきます。そして街道を練り歩き、御旅所に安置されます。神輿は重いので力の強い男性のほうが担ぎ手になりやすいですが、火祭では神輿の綱を惹くことで安全になるという話が伝えれているので、女性も多く酸化しています。その後、神楽の奉納のあと、大きな神楽松明が境内をぐるとまわって神幸祭の終了です。

一晩明けて、翌朝になったら御旅所にいた神輿を再び神社に戻すのが還幸祭です。

鞍馬の火祭を見に行く際の注意点

さて、そんな鞍馬の火祭を見物してみたいと思うならば、いろいろと気をつけなければいけないことがあります。

まず京都で開催されてる祭でも、最も人が訪れるといわれています。人が多いのでどこへ行っても人混みで、見物できる場所を確保することがとても大変です。

小さい子供がいる家族だと押しつぶされてしまうかもしれないので危険な面もあります。トイレをするにも行列ですし、食事ができるところもほとんどないので事前に済ませておかなければいけません。
鞍馬山門前では立ち止まって見ることが禁止されていて、三脚を使ってカメラ撮影をすることはできません。

アクセスは車は交通規制がされてしまうので、近くの集落まで行くことは出来ませんし駐車場もないです。いくとすれば電車、バスなどですがそちらも人混みが多いことを覚悟しなければいけません。

周辺の宿泊施設も当然のことながら泊まりたい人が殺到してしまうので、当日は予約をした順番ではなく抽選制が多いです。早めに申し込まないと抽選が終わってしまうので早めに確認しておいたほうがいいでしょう。

鞍馬の火祭については9月頃からテレフォンサービスが開設されるので、聞きたいことがあるならばかけてみましょう。

関連する記事

「10月に行きたい名物祭り”鞍馬の火祭”」のライター