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アメリカ・ハワイ在住のマキ・コニクソン。ハワイを拠点に、テレビや雑誌の撮影コーディネートを手がける。現場の雰囲気を一変させる底抜けに明るい人柄は、撮影スタッフはもちろん、芸能人やモデル、スポーツ選手たちを魅了する。

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2017.6.8
マキ・コニクソンさんと言えば、今もっとも有名なハワイのコーディネーター。「スタッフのみんなに元気を与えて、ハワイで素敵な思い出をつくってほしい」というのが仕事上のポリシー。マキさんが現れるだけで、現場がぱっと活気づく。まさにハワイの太陽のような人柄の秘密は、超がつくほどのポジティブシンキングにありました。

■テレビ局に就職するもすぐに独立。結婚をきっかけにハワイへ

STAGE編集部:現在の仕事につくまでのキャリアを教えてください。
もともとテレビマンなんですよ、私。学生の頃はアメリカに留学していて、ワシントン大学を卒業して帰国しました。その後、英語力を買われて、大手のテレビ局に入ったんですよ。でも、すぐに辞めちゃいました(笑)。
STAGE編集部:え、どうしてですか?
たしかに待遇もよくて、家族もよろこんでくれました。ただ、私は生来、枠にはまるのがイヤなタイプなんです。会社で決められた仕事をやっているうちにだんだん「このままこの仕事を続けて、私は将来幸せになれるのだろうか?」と疑問に思ったんです。次の日には辞表を出していましたね。
STAGE編集部:決断が早い! その後は?
フリーランスとしてすぐに活動を始めました。英語力を生かして通訳をやったり、レポーターをやったり。24歳のときには自由が丘で英会話サロンを始めて、あっという間に生徒数が700人になりました。目が回るほど忙しかったですが、毎日がワクワクの連続でした。
STAGE編集部:まさに水を得た魚。人生の転機は何だったんですか?
20代で元海軍パイロットの夫と結婚したことで人生が大きく変わりました。その後、彼の赴任先のオーストラリアで暮らしたんですが、この時期が私の暗黒時代。専業主婦として仕事をしなくなったことで、ひどく落ち込んでしまい、何かがあるとすぐに自分や夫を責めるようになりました。そう、私が私ではなくなってしまったんです。そんな私を彼は優しく見守ってくれました。私は変わろうと思い、早速、日本語教師の職を見つけ、一生懸命打ち込みました。そのうちに待望の子供まで……。私は『自分の心の持ち方をちょっと変えるだけで、すぐに世界はハッピーになる』ということをこのとき確信したんです。
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STAGE編集部:ハワイのコーディネーターになったきっかけを教えてください。
ハワイに住むようになったのは、夫の赴任がきっかけです。私はちょうど30歳でした。ハワイに着いてわずか10日で、知人の紹介で撮影コーディネートの依頼を受けました。最初は右も左もわからないハワイで失敗の連続。でも、『落ち込んでいるヒマなんか私の人生には一瞬もない』というのが私の信念。すぐに自分の会社を立ち上げて、人一倍ひとつひとつの仕事を丁寧にこなすように心がけました。すると3年で軌道に乗せることができました。
STAGE編集部:今ではハワイ以外の撮影コーディネートも手がけているとか?
そう、40歳になったとき、ハワイではどんな要望にも応えられるという自信を持てたので、世界にチャレンジしようと。パリやニューヨーク、ロンドン、ロサンゼルス、カプリ島など数えきれないほどのロケ地を訪れました。行ったことのない場所もありましたが、ハワイで培った技術と経験のおかげで何とかこなすことができました。あとは、持ち前の元気がものを言いました。

■お金はみんなでシェアする。だからお金から自由になれる

STAGE編集部:『STAGE』は「お金」がひとつキーワードであるんですが、マキさんはお金についてどんな考えを持っていますか?
お金はみんなでシェアするものだと思っています。私は仕事でも、事前にお金の話はほとんどしません。だって、お金の多い少ないで仕事のクオリティを上げたり下げたりするのはできないから。とはいえ、いただけるお金が多かったら、そりゃもちろんうれしいですよ(笑)。
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ただ、そんなときは、『儲かったから、美味しいもの食べに行くか!』とパーッと遣っちゃいます。私は自分の得た利益をシェアすることでみんなをハッピーにしたいんです。なぜかって? それはみんなの笑顔を見たら、私がいちばんハッピーになれるから。お金はそのための手段ですね。
STAGE編集部:お金はあくまでハッピーになるための手段であると。では、お金を呼び寄せる心の持ち方とは?
私はこんな性格にもかかわらず、今まで不思議なくらい経済的に困ったことがないんです。それはやっぱり「みんなでシェアする」という心構えの結果だと思っています。こういう風にお金を社会に還元すれば、お金は流れになって、やがて自分の元に戻ってくるんですよ。
STAGE編集部:なるほど! ただ、会社を経営していたら、金銭面で損をすることもあると思うんですが。
ありますよ。去年、長年の取引先だった制作プロダクションが突然倒産してしまい、ギャランティをいただくことができなくなってしまったんです。それがけっこうな額で、一瞬「マジかよ!?」と思いましたが、次の瞬間に、「ま、いいよ。次の仕事で挽回!」と口に出して、気持ちをカチッと切り替えました。だって、どうしようもないことをあれこれ考えて落ち込んだり、やきもきしたりしても現実は何も変わらないですから。そんな時間があれば、前へ進むために使ったほうがいい。
STAGE編集部:とはいえ、人生のトラブルの多くはお金の問題。たとえば、お金の貸し借りで悩んだことはありますか?
今までお金の貸し借りに関するトラブルはありません。その理由は「貸すくらいなら、あげちゃうから」。仲のいい友人でも、貸したお金が返してもらえないと、やっぱりいい気分がしませんよね。私はそのときのモヤモヤがとにかくイヤなんです。じゃあ、あげても問題ない分だけあげちゃえばいいんですよ。シェアすればお金はいずれ戻ってくるかもしれないし、ストレスも一切感じませんから。
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マキ・コニクソン           コーディネーター

マキ・コニクソン           コーディネーター

ハワイ在住19年。テレビや雑誌のコーディネーターとして活躍中。幅広いコネクションや豊富な知識を生かした腕利きとして知られるが、その絶大な支持率の理由は人柄にある。マキさんがコーディネートした現場で仕事をしたスタッフや芸能人は、必ずハワイの虜になってしまうという。近年はハワイ以外でも活動中で、訪れた国は世界でも70カ国以上。アクセサリーやファッションブランドのプロデュースも手がけている。通称・ハワイのマキさん。著書に『MAKI’S DEAREST HAWAII~インスタジェニックなハワイ探しから』(ダイヤモンド社)、『Maki’s happy theory』(KK ベストセラーズ)など。

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