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シアトルはアメリカの西海岸、カナダとの国境近くにある都市。海に面し、山・湖など美しい自然に囲まれ、豊かな海産物に恵まれた所です。また、昔から日本とも深い関係のある町。そんなシアトルの生活事情をお伝えします。

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2019.12.28

シアトルはどんな所?

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シアトルはアメリカのワシントン州(首都のワシントンとは無関係)の州都です。州都としてはアメリカの中で最も北西にあり、カナダのバンクーバーまでわずか230km足らずという近さ。緯度が高いため、夏でも平均最高気温が25度を超えません。そして夏は降雨量が少ないのでカラッとしるのも特徴。その反対に冬は雨が多く(ただし頻繁なにわか雨)、時には降雪も。

シアトルには湾、湖、川が多く、水域面積が総面積の約41%を占めています。また富士山に似た標高4000mを越えるレーニア山が市街地からも見えます。そのような美しい景観から、シアトルは「エメラルドシティー」と呼ばれています。

シアトルの市街地は海に面し背後に森林が多く昔から漁業、林業が発達していますが、近年では、ボーイング、マイクロソフト、アマゾン、スターバックスなど世界的に名だたる大企業誕生の地としても有名。また、1880年代には多くの日本人が移住し日本人町や日本庭園を築きました。日本庭園は現在、人気観光スポットになっています。日本人町の多くは解体されたものの、一部の建物に面影が残っています。

シアトルでの生活費

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以上のように、シアトルは風光明媚で産業が発達した地方の港湾都市です。地方にあることから、生活費はアメリカの大都市ニューヨークやサンフランシスコと比べるとずっと少なくなっています。例えば、家賃は33%~42%、レストランの食事は14%~17%低くなっています。つまり、シアトルではこうした大都市よりもずっと暮らしやすい生活ができるということになります。ただ、世界的に見ると、シアトルの生活費の高さは世界の427都市の中で21位。東京が18位ですから、大体同じくらいのレベルになります。では具体的な生活費を見ていきましょう。

※データ提供元:NUMBEO https://www.numbeo.com/cost-of-living/in/Seattle
※コストはUS$1 = 109.52で換算(2019年12月18日現在の為替レート)

シアトルの家賃相場は?

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生活する上で最も大きな割合を占めるのが住居費。ここではアパートに住んだ場合の月の平均家賃で見ていきます。

1LDK:市街地 US$2,099(229,882円)、郊外US$1.632(178,736円)
3LDK:市街地 US$3,621(396,571円)、郊外US$2,580(282,561円)

ここで注意したいのが「アパート」という言葉。シアトルの場合(往々にしてアメリカ全体)では、アパートは日本の「マンション」と同じようなイメージと考えてよいでしょう。ここで挙げたのは寝室が居間と別になっているアパートですが、寝室が別になっていないアパートは「スタジオ」と呼ばれ、衣食住が1つのスペースで行われることになります。もちろんスタジオはスペースが少ない分家賃も少なくなります。

その他
水道・光熱費:US$159(17,413円)
インターネット:US$64.89(7,106円)

海産物が豊かなシアトル

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シアトルで食べ物を買ったり食事をしたりするのに、ぜひ足を運んでほしいのが「パイク・プレイス・マーケット」です。ここには生鮮食品を初め、クラフトなどたくさんの店が出店しています。入り口から入るとまず目に飛び込んでくるのが鮮魚のコーナー。ここにはシアトルの名産サーモンやイカやタコ、ロブスターなどが所狭しと並んでいます。お値段は種類や季節によっても変わりますが、現在調べたところ、キングサーモンの切り身が約450gでUS$30(3277円)となっています。

参考サイト: https://www.cityfish.com/salmon-halibut/

このコーナーでおもしろいのが、お客の選んだ魚を、一人の売り子が掛け声とともにもう一人の売り子にポーンと投げて手渡す習わし。とにかく活気に満ちて、新鮮な食品が手に入る見逃せないスポットです。

公式サイト:http://pikeplacemarket.org/
(画像はイメージのみ)

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パイク・プレイス・マーケットで買い物した後は、マーケットの中や周辺にあるカフェやレストランで食事を取りたいですね。お店にもいろいろありますが、シアトルの名物クラムチャウダーを食べるなら人気店「パイク・プレース・チャウダー」はどうでしょう。カニとカキのチャウダーやスモークサーモンチャウダーがUS$7.75(846円)~US$19.25(2103円)で味わえます。また、マーケットから道路を隔てた反対側にはスターバックスの1号店があります。今ここは観光スポットになっていてお土産品を売っているだけですが、ぜひ立ち寄ってみてください。
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では、シアトルの食費をもう少し具体的に見てみましょう。

外食
大衆向けレストラン:US$15(1642円)
中級レストラン、2人で3コースの食事:US$70(7666円)
ビール:国産品(500cc)US$6(657円)、輸入品(330CC)US$6(657円)

食材
ミルク(1ℓ):US$0.87(109円)
食パン(500g):US$3.05(333円)
米(1㎏):US$4.44(485円)
卵(1ダース):US$2.73(298円)
チキン胸肉(1㎏):US$12.46(1361円)
ビーフ(1㎏):US$14.86(1623円)
リンゴ〈1㎏〉:US$5.25(573円)

シアトルの交通手段は水上タクシーも便利!

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次に気になるのが交通費。公共交通機関としてシアトルでは、バス、ストリートカー、ライトレール、モノレールが利用できますが、水域面積が広いこの町では水上タクシーやフェリーも利用すると便利です。こうした乗り物すべてに使えるのが共通カード「ORCA」です。カードはオンライン(www.orcacard.com)で購入できますがライトレールの駅に設置された自動販売機でも買えます。このカードはUS$5~300(547円~32,856円)まで課金できます。

公営バス/ストリートカー(市電):US$2.75 (301円)※90~120分の間乗り放題
モノレール:US$2.75(301円)
水上タクシー:US$5.75 ~ 6.75 (629~739円)
フェリー:US$8.50(930円)

まとめ

以上が具体的なシアトルの生活費ですが、一人当たりの平均的な月当たりの総生活費を見てみると、US$1,074(117,624円)になっています。これには家賃が入っていないので、例えば市街地で1LDKのアパートを借りて生活した場合は、$2,099(229,882円))が上乗せされます。つまり月にUS$3,173(約347,697円)の生活費が必要だということになります。
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オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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「「いつかは住みたい」シアトルでの生活費 」のライター