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動画サイトやブログで圧倒的なフォロワーを集め、書店では山積みにされた著書が 次々に売れていく── 若くして多くの人が 知る存在となったDaiGoさん。しかし、その生業を正確に知る人は多くないのではないでしょうか。 「メンタリスト」という肩書さえ、 もはやフィットするものではないそうです。一 体彼は何者なのか。そして、彼にとって「お金」とは?

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2019.5.13
パフォーマー? 心理学者? 驚くことにその名を世に知らしめる契機となった「メンタリスト」という肩書さえ、 もはやフィットするものではないそうです。一 体彼は何者なのか。そして、彼にとって「お金」とは何なのか。 瞠目するほど歯切れのよい話しぶりに、決して揺らぐことがない生き方が浮かび上がりました。

「メンタリスト」になりたいと思ったことはない

正直、「メンタリスト」 になりたかったわけではないし、今、メンタリストをやっているという意識はないです。僕の生き方というかポリシーは何からも自由になるということなんだけど、たまたま大学生くらいのときは、メンタリストをやってテレビで認知度を稼ぐことが一番自由な生活を得やすい方法だったんです。
自由になるためにはお金が必要で、多くの国 は資本主義社会・民主主義社会だから、より多くの資本を持ち且ついろんな人から支持を得る人(フォロワーがいる人)が時代を作るし、一番自由だと思ったんですよ。僕はこれを時間をかけて手に入れたくなかったので、最も自分の時間を使わなくてよい方法で、「資本」と「自分のことを好きになってくれる人 」と「自分の自由な時間」を最大化しようとしました。その結果が、当時はメンタリストという職業だったんです。

仕事のステージはどんどん変わっていった

だからどんどん仕事のステージは変わっていきました。昔はメンタリストとしてのパフォー マンスや、ディナーショーなんかもやってました(笑)。愚かですよね、 あんなリハーサルも長くて拘束されるもの。 でも、最初はしょうがなかったんです。そして段々と作家的なポジションに入っていきまし た 。それが第2ステージ。第1ステージではフォロワーを稼いで、第2ステージでは知識の提供者としてやっていくために、作家をやって講演をやってコンサルをやったんです。
今は3つのことをやっています。1つ目が配信。 世界中どこにいてもできるし、楽しいからやっています。2つ目が作家。やっぱり本を出すのが楽しいし、自分の勉強にもなるので。そして3つ目がエンジェル投資です。ベンチャーキャピタルの個人版みたいなイメージで、上場前の会社や見込みのある会社にボコンとお金を入れて、株価が上がったら利益を享受できるという割とリスキーな投資です。

これからの世の中をよりよくすることに加担したい

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昔は安全な商品にも投資していたんですが、 最近それをやめて。なんでかっていうと、僕の場合は、フォロワーを増やせば資本が最大化することに気づいたからです。フォロワーの人たちは僕の知識を使って人生をよりよいものにし、 僕は次のネタを渇望してさらに勉強をする── ウィンウィンの完璧なシステムができたなと、 そう思ったときに、安全資産で自分の資産を保全するっていう考え方がなくなりました。
こうしてできた収益を、これから世の中をよくしたり 、自分が“こういうのあったらいいな”と思う製品を作っている会社に出すことによって、世の中をよりよくすることに加担したい。そういう思いでやっているのが僕のいうエンジェル投資です。

最後は自分の頭で考えてから決めること

だから僕の投資の話は参考にならないかもしれないけれど、(ウォーレン・ ) バフェットの本は読んだほうがよいと思います。生き方がかっこいいので。哲学者としてバフェットが大好きです。
それから、投資や人生で大切な能力ってなんですかとよく聞かれるんですけど、基本的には自分をコントロールする能力が一番大切です。この「自己コントロール能力」を高める方法はいくつかあります。1つ目は「定期的な運動(定期的な習慣でも可)」です。感情が安定します。2つ目は「瞑想」、呼吸に注目してやってみてください。3つ目は「友達」です。1人でいいから親友を作ってください。人間は自分のことを判断するときに冷静になれないからです。だから冷静さを失ったときに、素直にアドバイスを聞 けるくらい優秀で頼りがいがある友達を作っておくというのがポイントですね 。
でも、最後は自分の頭で考えて決めてください。なぜかというと、他人の意見を聞いて失敗 した場合は他人のせいにできるから何も成長しないし、合っていた場合でも何が合っていたか分からないのでなんの参考にもならないからです。

「お金とは、自由と交換するための引換券。」

お金とは、何? 「自由」である、というふうに僕は思います。お金のために自由をなくすのは愚かだと思いますけれど、自由のためにお金をなくすのは全然よいと思います。だって好きなものがすべて手に入って、好きな所で好きなことができて、全部自由になったら、もうお金いらないじゃん、なんのためにいるの? って話ですよね。
お金とは、自由です。というか、自由と交換するためのただの引換券だと僕は思っています。みなさんも、お金を使って何を手に入れるかのほうがはるかに大事なので、そこを考えてもらえるといいなと思います。
DaiGo

DaiGo

慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒。現在は投資 家として企業経営を助勢する傍ら、動画配信、執筆活動 等を通じて世の中に影響を与える。

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「〈DaiGo〉メンタリストになりたいと思ったことはない。自由を突き詰めた先のステージの変化」のライター